今回は、食品表示を行う上で、たびたび登場する「特色のある原材料の表示」のポイントについてご紹介いたします。
「特色のある原材料の表示」については、弊社でも表示チェック等のご依頼を頂いた際に、修正事項としてよく挙げられる表示です。
使用した原材料について強調して表示するにあたり、「特色のある原材料」に該当する場合は、どんなことに注意すればいいのか・・・
今回は、「特色のある原材料の表示」を表示するうえで注意したいポイントをご紹介いたします。
目次
1. 強調して表示している原材料を、その状態で仕入れて使用していない場合
※この場合の表示の間違いは、よく見られますので、特にご注意ください。
このような場合、「その旨が分かるように事実に即して」記載します。
具体例を挙げて、ご紹介いたします。
例)宇治抹茶チョコレートを仕入れて製造した製品に「宇治抹茶」と強調表示したい
⇒この場合、製造所で「宇治抹茶」そのものを仕入れて製造していない場合は、事実に即した表示が必要となります。
【表示例】「宇治抹茶入りチョコレートを使用しています」
⇒このように宇治抹茶入りチョコレートを使用して、商品を製造している旨が消費者に伝わるように表示します。
2. 表示に近接して使用割合を記載する
【パターン①】パッケージ表面等、強調表示したい部分に近接して使用割合を表示する
例)パッケージ表面に「栃木県産とちおとめ使用」と表示したい場合
パッケージ表面に近接して「栃木県産とちおとめ80%使用」、「この商品に使用されているいちごのうち80%が栃木県産とちおとめです」のように表示します。
【パターン②】一括表示部分の原材料名欄において使用割合を表示する
例) 「原材料名 いちご(とちおとめ80% 、…」
パターン①、パターン②ともに、使用割合が100%である場合は割合表示を省略できます。
★「近接」といわれてもどこを指すのか・・・?
明確などこかという決まりはございません。
しかし、パッケージ表面で特色のある原材料表示を行い、裏面で割合表示を行っている場合は、「近接」とは言えないと考えられます。
弊社では対象の上下左右何れかで接する箇所が望ましいと考えております。
3. 使用割合は「%」又は「割」で記載する。
4. 使用割合は、強調した箇所のすべてに表示する
特色のある原材料の基本的な考え方に関しては、以前に弊社で作成した品質管理メルマガ「特色のある原材料とは?表示方法や留意事項について解説します!」https://www.aussie-fan.co.jp/quality/mailmagazine/post-4974
をあわせてご覧ください。
食品表示基準Q&Aより
(加工-211)特色のある原材料を使用した場合、必ず使用割合を表示しなければならないのですか。
★必ず使用割合を表示しなければならない場合は以下の通りです。
1.特色のある原材料を使用したことを強調して表示する場合
※強調して表示しない場合は、割合表示を行う必要はありません。
2.具体的に特色のある原材料(A)を使用した際に・・・
①製品表面などに「○○使用」、 「○○入り」のように、強調して表示する場合
②製品の名称を使用した旨を示すものである場合
③ 「○○を使用し、…」のように説明書きなどで使用した旨を表示する場合
④ 一括表示部分の原材料名として「うるち米(○○) 、…」のように表示する
場合には、○○の使用割合を明示することが必要です。
(加工-214)「○○%」ではなく「○割」と表示することも可能ですか。
1.可能です。
具体的には、使用量が「53%」の場合 、「53%」に代えて 「5割」と表示することが可能です。
2.「○割」で割合表示を行う場合には、使用量が多いとの誤認を消費者に与えないよう四捨五入ではなく、切り捨ての数字を表示してください。
【例】使用量:「79%」のとき ⇒「79%」または「7割」と表示する。
※切り上げて「8割」と表示することは不可
【例】使用量:「5%」のとき ⇒〇割表示は不可。「5%」と表示する。
(加工-215)使用割合が変動する原材料を特色のある原材料として表示したい場合、どのように割合表示を行えばよいですか。
1.原材料の使用割合が変動する場合、想定される最小値を記載し 「○%以上」 、又は「○割以上」のように幅をもたせた表示を行うことが可能です。
2.具体的に、例えば、季節により使用割合が45%〜52%の範囲で変動する特色のある原材料を強調して表示する場合には、「45%以上」又は「4割以上」の表示が可能です。
3.なお 「○%〜△%」のように表示することは、含有量が多いとの誤認を与える可能性があることから認められません。
以上、「特色のある原材料の表示」の表示ポイントについてご紹介いたしました。
追記
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秘密保持契約を締結することも可能です。
今回の更新はオージーフーズ品質管理の鎌田が担当いたしました。
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