食品添加物の不使用表示に関するガイドライン

2022年6月のメルマガにて、消費者庁の「食品添加物の不使用に関するガイドライン」について、ご紹介いたしました。

2022年3月末に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が策定され、商品包装への「無添加」等の記載ルールが厳格化されました。過去に問題はなかった「無添加」や「添加物不使用」の文言を使用している表示でも、内容によっては今後は表示できない可能性もございます。今回のメルマガでは、その内容と考え方について解説いたします。

今回、年明け3月末までという見直しを行うことが求められている期間が近付いておりますため、改めてご説明いたしますので、ぜひご覧ください!

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1. 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン

消費者庁は、令和4(2021)年3月30日に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。

これにより商品パッケージなどに記載されている「無添加」、「○○不使用」という添加物表示に一定の基準が示されました。

年明けの令和6(2024)年3月末までの間に、表示の見直しを行うことが求められています。

移行期間終了後は、「何を添加していないのか不明確な表示」、「無添加あるいは不使用を健康や安全の用語と関連付ける表示」、「無添加や不使用の文字などが過度に強調されている表示」を対象に、問題となる可能性もございます。

2. 添加物の不使用表示ガイドライン10類型

消費者庁が定める添加物不使用表示に関するガイドライン10類型について、分かりやすく以下にまとめました。

類型1 【単なる「無添加」の表示】

⇒パッケージに「無添加」とだけ記載されていると、「何が無添加なの?」「添加物は全く使用されていないの?」「一部の添加物だけが無添加なの?」など、消費者の誤認が生まれやすいため、無添加となる対象を明確に表示することが必要になります。
(例)「無添加」、「添加物不使用」 などが該当します。

類型2【食品表示基準に規定されていない用語を表示】

⇒人工や天然、合成や化学といった食品表示基準に規定されていない用語を用いた無添加、不使用表示はできません。
(例)「人工甘味料不使用」、「合成着色料不使用」、「化学調味料無添加」などが該当します。

類型3【食品添加物の使用が認められていない食品への表示】

⇒使用できない(又はされていない)添加物を、無添加あるいは不使用と表示することはできません。
(例)清涼飲料水には使用できない「ソルビン酸」、マヨネーズに使用できない「乳化剤」、トマトケチャップに使用できない「着色料」などの無添加あるいは不使用表示が該当します。

類型4【同一や類似の特性を持つ食品添加物を使用した際の表示】

⇒日持ち向上を目的として、保存料以外の添加物を使用した食品に「保存料不使用」を表示することはできません。
(例)酢酸ナトリウムやグリシンなど日持ち向上の働きをする添加物を使用しているが「保存料無添加」、「保存料不使用」などと表示することが該当します。

類型5【同一や類似の特性を持つ原材料を使用した際の表示

⇒原材料酵母エキス粉末やたん白加水分解物等、うまみ増強の働きをもつ添加物を使用した食品に「化学調味料無添加」などと表示することはできません。

類型6【健康や安全と関連付ける表示】

「健康に良い」や「安全である」ことなどを理由として、無添加や不使用表示をすることはできません。

類型7【健康や安全以外の事項と関連付ける表示】

(例)おいしい理由として無添加あるいは不使用を表示
美味しさの理由として、無添加や不使用表示をすることはできません。

(例)商品が変色する可能性の理由として着色料不使用を表示

(例)商品の開封後に言及せず、「保存料不使用のため、お早めにお召し上がりください」
⇒このように表示すると、消費者に期限表示に対する誤解が生まれやすくなるため、
「開封後はお早めにお召し上がりください」など表現に配慮が求められます。

類型8【食品添加物の使用が予期されていない食品への表示】

⇒一般的に添加物が不使用な商品にも関わらず、あえて「無添加」、「不使用」表示をすることはできません。
(例)ミネラルウォーターに一般的に含まれない「保存料」や「着色料」といった添加物の   不使用表示が該当します。

類型9【加工助剤やキャリーオーバーとして使用されている食品の表示】

加工助剤、キャリーオーバーとして食品添加物が使用されている(又は使用されていないことが確認できない)食品への無添加あるいは不使用の表示をすることはできません。

(例)原材料の一部に保存料を使用しながら、最終製品に「保存料不使用」 と表示
(例)「自社の製造工程においては、食品添加物は使用しておりません。」等の表示
(例)原材料の製造工程において食品添加物が使用されていないことが確認できないため、自社の製造工程に限定する旨の記載と共に無添加あるいは不使用を表示

食品添加物の表示は、当該食品の原材料の製造又は加工の過程まで確認を行うことが必要であり、一括表示外であっても、確認結果に基づいた表示を行わなければなりません。

類型10【過度に強調された表示】

商品パッケージの多くの場所に「無添加」、「不使用」を表示、また目立つデザインやカラーリングで表示を行うことはできません。

(例)容器包装のあらゆる場所に過度に強調して不使用表示を行うことや、一括表示欄における表示と比較して過度に強調されたフォント、大きさ、色、用語などを用いること
(例)保存料、着色料以外の食品添加物を使用している食品に、大きく「無添加」と表示   し、その側に小さく「保存料、着色料」と表示

以上、10種類でございます。

取り扱う食品が該当しているか、ご確認頂ければと思います。
今回は、年明け4月1日から完全施行される「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」について改めてご紹介いたしました。

3.追記

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今回の更新はオージーフーズ品質管理の鎌田が担当いたしました。

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鎌田
管理栄養士の資格を持っています。好きな食べ物は餃子と桃です。

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