今回のテーマは「冷凍した食品」です。
食品表示基準、食品衛生法、計量法、東京都や神戸市の条例などで「冷凍した食品」について定義されているのをご存じでしょうか?
それぞれで意味合いが異なるため注意が必要です!
また、それぞれの定義に当てはまる食品には、表示しなくてはならない事項がありますので
併せて紹介いたします!
食品表示基準の「調理冷凍食品」と「冷凍食品」
食品表示基準の別表第三に「調理冷凍食品」は、
農林畜水産物に、選別、洗浄、不可食部分の除去、整形等の前処理及び調味、成形、加熱等の調理を行ったものを凍結し、包装し、及び凍結したまま保持したものであって、簡便な調理をし、又はしないで食用に供されるものをいう。
と定義されています。
さらに、調理冷凍食品の内、下記の品目は個別に定義されています。
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- 冷凍フライ類、冷凍しゅうまい、冷凍ぎょうざ、冷凍春巻、
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- 冷凍ハンバーグステーキ、冷凍ミートボール、
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- 冷凍フィッシュハンバーグ、冷凍フィッシュボール、
- 冷凍米飯類、冷凍めん類
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それぞれの定義は、食品表示基準の別表第三をご参照ください。
定義に当てはまる食品には…
食品表示基準別表第十九に規定された事項を別表第二十の方式で表示する必要があります。
その他の規定は、食品表示基準の別表第十九をご参照ください。
また、別表第四に規定された
食品表示基準には、「調理冷凍食品」の他に「冷凍食品」が定義付けられています。
「冷凍食品」として販売する場合は…
食品表示基準別表第十九に規定された
①飲食に供する際に加熱を要するかどうかの別(加熱調理の必要性)
製造し、又は加工した食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、魚肉練り製品、ゆでだこ、ゆでがに、食肉(鳥獣の生肉(骨及び臓器を含む。)を加工したものに限る。)及びアイスクリーム類を除く。以下同じ。)を凍結させたものに限る。
②凍結させる直前に加熱されたものであるかどうかの別(凍結前加熱の有無)
加熱後摂取冷凍食品(製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、飲食に供する際に加熱を要するとされているものをいう。)に限る。
③生食用であるかないかの別
切り身又はむき身にした魚介類(生かき及びふぐを除き、調味したものに限る。)を凍結させたものに限る。
を表示する必要があり、その他、食品表示基準について(食品表示基準に係る通知)に、
を表示する必要があると記載されています。
(参考資料)※消費者庁のリンクが開きます。
食品衛生法の「冷凍食品」
食品衛生法では、食品表示基準の「冷凍食品」について、
冷凍食品(製造し、又は加工した食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、魚肉ねり製品、ゆでだこ及びゆでがにを除く。)及び切り身又はむき身にした鮮魚介類(生かきを除く。)を凍結させたものであって、容器包装に入れられたものに限る。)
と定義されています。
また、「成分規格」「加工基準」「保存基準」が定められています。
※最終的に「冷凍食品」とするかどうかは管轄の保健所にご確認ください。
(参考資料)※厚生労働省のリンクが開きます。
計量法の「冷凍食品」
計量法における「冷凍食品」とは、
前処理を施し、急速冷凍を行い包装された状態で、消費者が購入する直前に冷凍の状態で販売(保蔵)されている商品
を言います。また、この定義のうち「前処理」とは、「選別、洗浄、不可食部の除去、整形等」の行為を意味し、「冷凍の状態」とは、-15℃以下の温度で保存されている状態を意味します。
定義に当てはまる食品で密封されている場合には…
計量法で定める政令第5条特定商品(第21号調理食品、調理冷凍食品)に該当するため
内容量は「個」や「枚」ではなく、「g」や「kg」での表示が必要です。
(参考資料)※経済産業省のリンクが開きます。
東京都条例の「調理冷凍食品」
東京都消費生活条例に、
農林畜水産物に、選別、洗浄、不可食部分の除去、整形等の前処理及び調味、成形、加熱等の調理を行ったものを凍結し、包装し、及び凍結したまま保持したものであって、簡便な調理をし、又はしないで食用に供されるもの(日本標準商品分類(平成2年6月改定)における畜産加工食品の酪農製品のアイスクリーム類、農産加工食品の菓子類に該当するもので冷凍されたものは除く。)
と定義されています。
定義に当てはまる食品には…
①原材料配合割合
原材料の一部の名称を商品名に付している場合、パッケージの文言で特定の原材料を強調している場合等が対象になります。
②原料原産地名
原材料及び添加物に占める重量の割合が上位3位、かつ当該割合が5%以上である原材料、及び商品名等にその名称が付された原材料が対象になります。
の2項目が表示する事項として規定されています。
※例外規定もあります。
過去に「原材料配合割合」と「原料原産地名」についてのメルマガを書いておりますので、ご確認ください。
(参考資料)※東京都のリンクが開きます。
神戸市条例の「調理冷凍食品」
神戸市の神戸市民のくらしをまもる条例に、
「調理冷凍食品」とは、製造し、若しくは調理し、又は加工した食品を凍結したものをいう。
ただし、調理冷凍食品品質表示基準(平成12年農林水産省告示第1676号)第2条の表に規定する冷凍魚フライ、冷凍えびフライ、冷凍いかフライ、冷凍かきフライ、冷凍コロッケ、冷凍カツレツ、冷凍しゅうまい、冷凍ぎょうざ、冷凍春巻、冷凍ハンバーグステーキ、冷凍ミートボール、冷凍フィッシュハンバーグ、冷凍フィッシュボール、冷凍米飯類及び冷凍めん類を除く。
と定義されています。
定義に当てはまる食品には…
が規定されています。
(参考資料)※神戸市のリンクが開きます。
▼神戸市の神戸市民のくらしをまもる条例(食品の品質表示基準実施要領)
過去に条例についてのメルマガを書いておりますので、ご確認ください。
あとがき
冷凍した食品について、色々な定義があることを紹介いたしました。
販売先が「全国」(通信販売など)である場合は、地方自治体の条例も対象になるため、その商品がそれぞれの定義に当てはまるかどうかを確認する必要があります。
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