こんにちは。オージーフーズのサポート部・品質管理チーム 仲田です。
前回、「栄養成分表示①基本的な表示方法について」で栄養成分表示の基本的な部分についてお話しさせて頂きました。
今回は、『高カルシウム』『低カロリー』『減塩』などの「栄養強調表示」をおこなう際の
注意事項について解説致します。
目次
栄養強調表示とは
栄養強調表示とは、栄養成分の量及び熱量について「たっぷり」や「低~」のように強調して表示を行ったものをさします。
このような表示をする場合は、強調する栄養成分又は熱量について、食品表示基準第7条に定められている基準を満たす必要があります。
栄養強調表示の分類
栄養強調表示は、以下①~③の3つに分類されます。このような表示をする場合は、定められた条件を満たす必要があります。
① 補給ができる旨の表示(栄養成分の量が多いことを強調)
高い旨、含む旨の表示を行う場合
強調したい栄養成分の含有量が、「食品表示基準 別表第12」の基準値以上であることが必要条件となります。
強化された旨の表示を行う場合
強調したい栄養成分の増加量が、「食品表示基準 別表第12」の基準値以上であり、かつたんぱく質、食物繊維については比較対象品との相対差(増加割合)が25%以上であることが必要です。
また、強化された旨の表示を行う場合は、次のア、イの事項を強調表示する部分に近接した場所に表示しなければなりません。
ア.比較対象食品を特定するために必要な事項
「自社従来品〇〇」「日本食品標準成分表2015〇〇」など
イ.強化された旨を表示する栄養成分の量が、比較対象食品に比べて強化された量または
割合
「〇〇g増」「〇〇%プラス」
② 適切な摂取ができる旨の表示(栄養成分の量または熱量が
少ないことを強調)
含まない旨、低い旨の表示を行う場合
強調したい栄養成分の含有量が、「食品表示基準 別表第13」の基準値未満であることが必要条件となります。
低減された旨の表示を行う場合
強調したい栄養成分または熱量の低減量が、「食品表示基準 別表第13」の低減された旨の表示の基準値以上であり、かつ比較対象品に比べて低減された割合(相対差)が25%以上であることが必要です。
ただし、特例として「ナトリウムの含有量を25%以上低減することにより、当該食品の保存性及び品質を保つことが著しく困難な食品(発酵のコントロール及び長期保存のため、多くの食塩が不可欠な食品)」に、「みそ」と「しょうゆ」が該当し、これらの食品については、低減されたナトリウムの含有量の割合(相対差)が次に定める割合以上である場合に「ナトリウムの低減された旨の表示」をすることができます。
・みそ 15% ・しょうゆ20%
また、低減された旨の表示を行う場合は、次のア、イの事項を強調表示する部分に近接した場所に表示しなければなりません。
ア.比較対象食品を特定するために必要な事項
「自社従来品〇〇」「日本食品標準成分表2015〇〇」など
イ.低減された旨を表示する栄養成分の量が、比較対象食品に比べて低減された量または
割合
「〇〇g減」「〇〇%カット」
③ 添加していない旨の表示(無添加を強調)
糖類を添加していない旨の表示を行う場合(「糖類無添加」「砂糖不使用」等)
以下の4つの条件を全て満たしていることが必要条件となります。
-
-
- いかなる糖類も添加されていないこと。
- 糖類(添加されたものに限る。)に代わる原材料(複合原材料を含む。)又は添加物を使用していないこと(添加糖類に代わる原材料の例:ジャム、ゼリー、甘味の付いたチョコレート、甘味の付いた果実片、非還元濃縮果汁、乾燥果実ペースト等)。
- 酵素分解その他何らかの方法により。当該食品の糖類含有量が原材料及び添加物に含まれていた量を超えていないこと。
- 当該食品の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他1単位当たりの糖類の含有量を表示していること。
-
ナトリウム塩を添加していない旨の表示を行う場合(「食塩無添加」等)
以下の2つの条件を両方満たしていることが必要条件となります。
- いかなるナトリウム塩も添加されていないこと(ただし、食塩以外のナトリウム塩を技術的目的で添加する場合(重曹等、呈味成分ではないナトリウム塩)であって、当該食品に含まれるナトリウムの量が、「食品表示基準 別表第13 低い旨の表示の基準値」以下であるときは、この限りでない。)。
- ナトリウム塩(添加されたものに限る。)に代わる原材料(複合原材料を含む。)又は添加物を使用していないこと(添加ナトリウム塩に代わる原材料の例:ウスターソース、ピクルス、ペパローニ、しょう油、塩蔵魚、フィッシュソース等)。
注意点
一般用加工食品の栄養強調表示をする場合、強調する成分(熱量及び栄養成分)も含めて、全ての成分について合理的な推定により得られた値(計算値)による栄養成分表示はできません。
必ず、分析により得られた値(許容差の範囲内にある一定の値または下限値および上限値)によって、栄養成分表示をおこなう必要があります。
※分析値であっても、栄養強調表示をする場合は「推定値」「この表示値は、目安です。」と表示することはできません。
さらに、強調する項目の成分については、食品表示基準別表第9の第3欄に記載された分析方法によって求めた値を記載する必要があります。
以上の内容以外にも、細かく定められている事項があります。
栄養強調表示の取扱については、消費者庁のホームページから、「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」もご確認ください。
※本文中の「食品表示基準 別表」は、消費者庁「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」よりリンクしております。
女性の社会進出・時短調理の需要などから、食卓に加工食品を取り入れることが増えた今、消費者が商品を選ぶ際のポイントの一つとして、栄養成分表示があります。
栄養成分表示の義務化の背景には、消費者が健康や栄養面を考えて食品を選ぶことができる
ようになることで、生活習慣病患者を減らす目的もあるようです。
商品のセールスポイントとして、「栄養強調表示」を行う場面は多々あるかと思いますが、まずは商品の栄養成分分析をおこない、定められた基準値を満たしていることが必要となります。
弊社では、栄養成分表示に必要な5項目「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量(ナトリウム)」のほか、任意の表示事項の成分についても分析も承っております。
詳しくは、品質管理業務サポートサービスの「栄養成分の分析」のページをご覧くださいませ。
また、最近は仕様書(規格書)に栄養成分値を記載することが多くなっています。
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詳しくは関連ページをご覧ください。
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