食品規格書の作成方法とは? 幅広い食品の規格書に携わってきたオージーフーズが解説します。

販売先から「食品規格書(商品規格書・商品仕様書・商品カルテ)」の提出を求められ、どうやって作成すればいいのか、どんな情報を書けばいいのか等で悩んだことはありませんでしょうか?

原材料配合割合、添加物、アレルゲン、遺伝子組換え、微生物規格、製造工程などなど、食品規格書に盛り込む内容は多岐にわたります。

しかし、食品規格書の書き方を間違ったりすると販売先との信用問題はもちろん、健康被害や製品回収といった大きな問題になってしまう場合があるのでよく調べずに作成することは厳禁です。

そこで食品規格書のフォーマット作成や記入方法、注意点などのポイントを、二万件以上の食品を確認してきた品質管理のプロであるオージーフーズがお答えします!
食品規格書の作成方法とは?

おかげさまで食品表示、eBASE、仕様書サービスについて多くの依頼をいただいております。現在も受付中ですが、対応枠は限られておりますのでお早めにご連絡ください。

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食品規格書とはどんなものなのか? 食品規格書の種類

まずは食品規格書とはどんなものなのかという解説です。

すでにご存じの方は復習としてご覧ください。

食品規格書とは

食品規格書(商品規格書・商品仕様書・商品カルテ)とは、商品の情報をまとめた資料になり、

このように使用している原材料や添加物、アレルゲン、製造工程、微生物規格、栄養成分等が記載されています。

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商品を販売する際にお客様から提出を求められる場合があります。

以前はエクセルやワードで作成することが一般的でしたが、

最近は専用のソフトやクラウド管理の商品規格書も見られるようになりました。

食品規格書には以下のような種類があります。

自社フォーマット

自社でエクセルやワードを用いてフォーマットを作成している企業も多いです。

フォーマット自体を作成する手間はかかりますが、

自社で取り扱う商品の特性や使用用途に合わせて項目を設定することができるので、使いやすい食品規格書にすることが可能です。

BtoBの取引がメインである場合は自社フォーマットを作成しておいて、販売先フォーマットがない販売先にはそのまま提出、販売先フォーマットがある販売先にはそこから転記といった管理が考えられます。

販売先フォーマット

販売先から指定のフォーマットで提出を求められる場合もあります。

指定フォーマットでの提出が取引条件となっていることが多く、その場合は指定のフォーマットで作成せざるを得ません。

ですが使いやすいようであれば項目などを参考にすることができます(ただし販売先が苦労して作成したものなので、勝手に真似をしてしまうと関係が悪化してしまう可能性があるため、そのまま流用することは避けてください)

なお、BtoCの取引がメインである場合は、一般のお客様に食品規格書を提出する機会があまりないため、食品規格書に必要な情報のみ集めておいて、その都度作成するということが考えられます。
その際、オージーフーズにご依頼いただいた場合は、弊社フォーマットのご提供も可能です。

食品規格書システム(eBASE、MerQurius(メルクリウス)、BtoBプラットフォーム規格書(インフォマート)等)

eBASE、MerQurius(メルクリウス)、インフォマート(BtoBプラットフォーム)などといった規格書システム・ソフトウェアを使用することも可能です。

eBASEはeBASE株式会社の規格書システムで、インストールしたソフトウェア、もしくはweb上で情報を入力していきます。ひな形(情報のコピー&ペースト)機能もあるため、類似した商品は登録する手間を少なくすることが可能です。

MerQurius(メルクリウス)はJFEシステムズ株式会社の規格書システムで、インターネット経由で規格書を管理します。確認・承認等のフローがシステム内に含まれているため、途中で放置されてしまうようなことが起きにくい作りとなっております。

BtoBプラットフォーム規格書(インフォマート)は株式会社インフォマート の規格書システムで、インターネット経由で規格書を管理します。BtoBプラットフォーム受発注やBtoBプラットフォーム請求書といったサービスもあり、食品規格書以外の業務もまとめてクラウド化することが可能です。

使用料金が定期的にかかってしまうサービスが多いことがデメリットですが、

テンプレートがすでに存在することや、オンラインでの管理や提出が可能であること、販売先も使用している場合は一度入力したデータを流用でき手間を削減できることがメリットです。

そもそもどのような食品規格書フォーマットにすればいいのかわからない場合は、これらを導入してみるのもおすすめです。

食品規格書の必要性・メリットは?

概要の次は必要性やメリットについてご説明します。

食品規格書がないと取引できないお客様が大多数

販売先と取引する際は食品規格書を事前に求められることがほとんどです。

そのため、食品業界で企業に販売する際には事実上必須の書類となっております。

食品自体や食品表示と一致しないと健康被害が起きる

食品規格書にはアレルゲンや保存温度などを記載いたしますが、

この情報が食品自体や食品表示(一括表示)と食い違ってしまうと、

アレルゲンによる健康被害や温度管理不備による腐敗など、重大な食品事故に繋がる可能性があります。

そういったことを防止するためのチェックツールとして、実際に販売する商品と比較することが重要です。

食品規格書を社内での情報管理に

食品規格書を整備しておくと、取引先や一般消費者からの質問にすぐ回答することができ、信頼に繋がります。

また、原料切り替えなどがあった場合に使用している商品を探したり、アレルゲンや添加物が変わって食品表示を変更する必要があるかどうかを判断することにも役立ちます。

食品規格書に記載する内容

概要や必要性の後は、実際に盛り込む内容です。

食品の特性によって記載したほうが良い内容は異なりますので、どの項目を盛り込むかが作成担当者の腕の見せ所です。

製品規格(保存方法、内容量、製造者情報、使用方法、栄養成分数値等)

その食品の保存方法、内容量、製造者情報、使用方法、栄養成分の数値といった規格は、食品表示に記載されている内容そのままかもしれませんが、取引先に常に食品の現物があるとも限りませんので重要な情報となります。

食品表示の画像をそのまま貼り付けるという手もありますが、テキストをコピーペーストができるよう、文字情報として保管しておくと後々便利です。

原材料情報(配合割合、添加物、アレルゲン、遺伝子組換え等)

使用している原材料や添加物の名称と配合割合、含まれているアレルゲン、遺伝子組換え等原材料の情報は重要になります。

その食品の原材料名欄を作成するために使えるのはもちろん、取引先でその食品を使って新たな食品を作る際の資料にもなります。

このような表にすることが一般的です。

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なお、割合を社外秘にしたいという方もおられるかもしれません。

社外秘にできるかどうかは取引先の意向次第という部分が大きいかもしれませんが、

最低限、表示作成に必要な添加物割合と、複合原材料表示が必要な場合、どこから「その他」と省略できるのか(5%未満か)は伝達しましょう。

微生物規格

微生物規格を書く場合、まず公的な規格基準があるかどうかを確認することが重要です。

例えば無加熱摂取冷凍食品に該当する場合、「一般生菌数10万個以下/g、大腸菌群陰性」という基準があります。

これより緩い基準を書いてしまうと取引先や保健所等から指摘されてしまう可能性があります。

そのため、基本的に規格基準がある場合はその基準通りもしくはより厳しい基準を設定してください。

製造工程

製造工程はそれぞれの食品ごとの工程を記載することとなりますが、

追加で異物除去装置(金属検出機、X線異物検出器)のテストピースサイズや、

加熱、冷却の温度・時間や保管温度等、品質的に重要な設定値を記載することが一般的です。

食品規格書の作成手順

記載する項目を決めたらいよいよ実際の作成です。

作成では転記ミスがないかどうかや、実際の商品と相違ないかの確認が重要となってきます。

フォーマットを決める

現在、エクセルで作成される方が多いですが、

原材料数が少ない商品の場合、ワードで作成されている方もおります。

また、eBASE、MerQurius(メルクリウス)、インフォマート(BtoBプラットフォーム)などといった規格書システムを使用したいという場合は、自動的にその規格書システムのフォーマットとなります。

(エクセル出力や取り込み機能がある規格書システムも多いです)

商品の情報集め

内容量や保存温度といった自社で設定する情報は食い違いの可能性があるため、自社内で実態に沿ったものであるかの確認が必要です。

原材料の情報は原材料メーカーに原材料規格書を依頼します。

数多くの原材料を取り扱っている場合は手間がかかりますが、計画的に原材料メーカーに依頼しましょう。

作成したものをチェックする

一通り入力を終えて一安心……するのはまだ早いです。

人がやることにミスはつきものです。

本当にその内容で間違いがないのかチェックすることが重要です。

同じ人がチェックするとミスに気付きにくいので、作成者以外の人がチェックするのが良いです。

製造担当者以外が製造工程や配合などを作成した場合、実際に製造を担当している人にチェックしてもらうのも有効です。

食品規格書の管理方法

食品規格書は一度作って終わりではありません。

情報や法令が変わった場合はその都度記載内容を確認し、相違がある場合は修正する必要があります。

記載内容は仕様変更ごとに更新する必要があるため、修正しやすいように作ります。

例えば手書きで規格書を作成していたら、一つ一つ変更していくのは大変な作業になります。

修正することを見越して、エクセルであれば一つのファイル内に全商品をシート別に入れておき、検索や置換をしやすくする方法があります。

ただしその場合、ファイルサイズが大きくなってしまい普段開く時にも時間がかかるというデメリットもあります。

一ファイル一商品にするとファイルサイズは抑えられ、開く時間は短縮できますが検索性に劣るため、

ファイル名の付け方である程度内容がわかるようにするなどの工夫も必要となってきます。

商品画像付きの規格書の場合は一ファイル一商品、テキストのみの場合は一つのファイル内に全商品を入れるというように、規格書フォーマット(サイズ)によってどちらを使うか決めるという方法もあります。

修正しやすい工夫としては、食品規格書内で使用する文言はあらかじめ統一しておくことがおすすめです。例えば同じ意味で「卵」「玉子」「エッグ」といった文言をバラバラに使用していると検索にかからなくなってしまうため、統一したいものはプルダウン入力にするといったことが考えられます。

データベースとして使用する場合は内容について検索しやすい方法がおすすめ

上記の修正しやすさと似た話になりますが、食品規格書はデータベースとして使用することもできます。

その際は情報を検索しやすい方法で保管しておくことが重要です。

一つの商品の全情報を確認したいという場合は紙を原紙として保管しておいて閲覧するほうが見やすいでしょうし、小麦を使用している食品はどれ? と調べたいときはデータとして検索できたほうが簡単です。

よく行う作業に応じて、紙か、データか、両方か、決めることになります。

おすすめはデータです。更新のしやすさ、検索のしやすさが紙と比べて容易ですし、紙をデータ化することは大変ですが、データを印刷することは簡単です。

食品規格書をクラウドで保管するという方法もある

紙で保管するにしても、PC(もしくは自社のサーバー)に保管するにしても、

紛失や破損・故障といったリスクが存在します。

そうしたリスク回避のため、最近ではクラウド管理するという手段もありますのでご検討ください。

まとめ

このように食品規格書の作成には手間がかかるうえ、万が一にもミスは許されません。

販売先からの依頼があまり多くないのに、専任の担当者を置くと、コストや求人を出す手間がかかりますよね。

専任の担当者がいる場合でも、手が回らなくて残業が増えているということはありませんでしょうか?

派遣社員に依頼する場合でも、やはりコストや情報管理の面で不安があるかもしれません。

人手が足りない方、正確な内容になっているか不安な方は是非オージーフーズの「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)にご依頼ください!
※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

また、表示等について、正確な内容になっているか不安な方は是非「食品表示チェック」「食品表示案の作成」、「微生物検査」(基本3項目:4,800円)、「栄養成分分析」(基本5項目:10,000円)、「栄養成分の計算」(5,000円~)にご依頼ください!

今回の更新はオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。
季節の変わり目、体調にはくれぐれもお気を付けください。

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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