食品詰め合わせ商品の食品表示方法の要点を品質管理のプロが解説

複数の食品を詰め合せた商品に貼り付ける一括表示を作成する際のポイントを食品品質管理のプロが解説します。


食品詰め合わせ商品の食品表示方法の要点を品質管理のプロが解説

  • 飲食店様が通販を始める際に、調味料込みで店の味を楽しんでいただきたいと「鍋セット」「ラーメンセット」「焼肉セット」等を詰合せて販売
  • 食品メーカー様が「自社の人気商品詰め合わせアソートセット」を企画

と言った際に、どのように表示をしたらいいか迷われたことはありますでしょうか?

詰合せ食品は詰合せられた食品同士の関連によって若干表示方法が変わってまいります。※以下は国内で製造された一般的な加工食品の表示方法を記載しております。食品の種類等で表示事項が変わる場合がございます。

おかげさまで食品表示、eBASE、仕様書サービスについて多くの依頼をいただいております。現在も受付中ですが、対応枠は限られておりますのでお早めにご連絡ください。

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表示場所

表示場所は原則、外箱等の外装(一番外側の包装)に行います。

ただし、

  • 外装が透明等の理由で開封せずに内部の表示を見ることができる場合
  • 購買者の求めに応じて入れるため、内容がその都度変わる場合
  • 消費者に渡す際に紙、ビニール等で包装した加工食品

は個々の食品に表示がされていれば改めて表示を行う必要はありません。

逆に販売方法が詰め合わせの形態に限られ、商品ごとにばら売りされることがない場合は、商品外装パッケージに表示を行っていれば、個々の商品への表示は免除されます。

食品詰め合わせ商品-焼き菓子詰め合わせのイメージ

詰め合わせ表示の実例

単なる詰め合わせ商品の場合

「チョコレートセット」、「洋菓子詰め合わせ」等、独立した商品を詰合せた場合はそれぞれの製品単位あたりで表示(図1)することが原則です。

共通する内容をまとめて表示(図2)し、名称や原材料名は一つの枠内でそれぞれの製品ごとに表示することも可能です。

栄養成分表示は個々の食品ごとに行います。

図1.個々に表示

詰め合わせ商品(個々に表示)

図2.共通する内容をまとめて表示

詰め合わせ商品(共通する内容をまとめて表示)

食品詰め合わせ商品-洋菓子詰め合わせのイメージ

 新たな独立した一つの商品となる場合

「鍋セット」「ラーメンセット」「焼肉セット」等のように、詰合せたものを全て使用して食べる食品の場合は、全体で一つの食品として表示(図3)することが原則です。

この際、各構成要素(詰合せたそれぞれの食品)は当該加工食品の原材料になり、重量割合が高い順に表示します。もちろん、乳化剤や香料等の添加物も同様になります。

栄養成分表示はセット合計の数値を表示します。

個々の食品の栄養成分を表示する場合はセット合計と併記してください。

図3. 新たな独立した一つの商品となる場合

(実際に新たな独立した一つの商品と見なされるかどうかは事業者の判断となります)

詰め合わせ商品(新たな独立した一つの商品の表示)

海外で製造された商品を国内で詰合せた場合

「単なる詰め合わせ商品」の場合は、個々の商品の原産地の国名を原産国名として表示する必要があります。

詰め合わせ商品の期限表示

詰合せる食品の賞味期限(消費期限)が同じ場合でしたらその日付を表示すれば問題ありませんが、異なっている場合は、

  1. 最も短い日付
  2. 詰合せる全ての食品の日付

のどちらかを外装に表示します。

期限表示についてはこちらの記事もご覧ください。

賞味期限・消費期限とは。どうやって決めたらいいの? 新たな商品を開発したときはもちろん、すでに製造している商品でも取引先などから根拠を求められて困った経験のある方もおられるかと思います。期限表示についてプロが解説します。

あとがき

食品詰め合わせ商品-チーズ詰め合わせのイメージ

詰め合わせ商品は食品数の分、表示量も多くなるため手間がかかります。

一つでもミスをすると、場合によっては回収に繋がる可能性もありますので、慎重に表示を作成する必要があります。違反した場合どうなるのかや、食品リコール(回収)についてはこちらの記事をご覧ください。

もしも食品表示を間違えてしまったらどうなるのでしょうか? 食品表示基準違反の件数や指導・指示・命令の罰則や、どのような場合に行われるかについて解説いたします。場合によっては回収や懲役、罰金等の事態に発展してしまう場合もあります。
食品表示法の一部を改正する法律が公布され、食品リコール・回収を行った場合の届出が義務化されることが決まりました。具体的な届出事項や手続きは今後、厚生労働省令や内閣府令等で規定されますが、今回はその概要について説明いたします。

ご不安がある場合は表示チェックや表示案の作成を承っておりますので、是非お気軽にお問い合わせください。

品質管理全般で問題がないかご不安な方は、
食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))にお申し込みください! 質問を何回でもお受けいたします。

また、表示等について、人手が足りない方、正確な内容になっているか不安な方は是非「食品表示チェック」「食品表示案の作成」「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「微生物検査」(基本3項目:4,800円)、「栄養成分分析」(基本5項目:10,000円)、「栄養成分の計算」(5,000円~)「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)にご依頼ください!
※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

今回の更新はオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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