食品表示の「内容量表示」とは。計量法の規定とよくある例を解説

食品表示の内容量表示とは。計量法の規定、よくある例、量目交差など、食品表示のプロがわかりやすく解説します!

内容量表示を理解するために知っておきたい計量法について、また、特定商品の内容量表示の例、よくある質問の例を交えて、丁寧に詳しく解説します。わかりやすい食品表示講座です。

内容量表示

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計量法とは

一般に販売されている食品の表示(一括表示)を見ていると内容量が1個だったり、1枚、1本、100g、等と様々な形で表示されています。

これだけを見ていると「どんな風に書いても良いんだ」と思ってしまうかもしれませんが、そんな事はありません。

内容量の記載方法には法令で定められた規定があります。

食品の表示は食品表示法等、複数の法令で規定されていますが、内容量は計量法で規定されています。

計量法とは「計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与すること」を目的としており、その内の第十二条の「特定商品の計量」の部分が食品表示にとって重要となります。

特定商品の内容量表示

計量法 第十二条

政令で定める商品(以下「特定商品」という。)の販売の事業を行う者は、特定商品をその特定物象量(特定商品ごとに政令で定める物象の状態の量をいう。以下同じ。)を法定計量単位により示して販売するときは、政令で定める誤差(以下「量目公差」という。)を超えないように、その特定物象量の計量をしなければならない。

この計量法 第十二条に記載されている「政令で定める商品(特定商品)」に該当する食品については定められた単位で記載する事が必要となります

特定商品の一覧については下記をご覧ください。

<特定商品一覧>※経済産業省ウェブサイトに移動します。https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/00_download/14_tokuteisyouhin_160727.pdf

この表は少し判り難いのですが…

表の左欄「内容量を表記したときに、表記量と実際の量の誤差を一定範囲にすることが義務づけられる商品」商品分類です。

表の中央欄「左記商品のうち密封したとき、表記義務の係るもの」に該当するものが販売する際に質量(グラム)や体積(リットル)で表示する食品となります。※質量と体積のどちらで表記するかも表内に記載されています。

表の見方の例

内容量表示油菓子例

表の見方として、油菓子のドーナツの場合の内容量表示を考えてみます。

  • ドーナツは菓子類の油菓子になりますので、12菓子類の(2)油菓子を見ます。
  • そこには(1個の質量が3g未満のものに限る。)と記載があります。

そのため、1個が3g以上の一般的なドーナツは対象商品とはならないため、「1個、2個」と表示ができます。

しかしながら、1個が3g未満の一口ドーナツの詰合せといった商品ですと対象となりますので、商品の重量「20g」や「20g(2.5g×8個)」等と表示する必要があります。

特定商品の量目公差

内容量をグラムやリットルで表示する際には「政令で定める誤差(量目公差)」についても注意する必要があります。

量目公差とは法律で定められた内容量の誤差で、この誤差を超えた量を不足すると行政指導の対象となります。

量目公差については上記の特定商品一覧の公差の欄を確認し、下記の量目公差表で該当する部分をご覧ください。

<量目交差表>※経済産業省ウェブサイトに移動します。https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/00_download/14_ryoumoku_kosa.pdf

ドーナツ(例えば商品の重量が300g)で考えますと、特定商品一覧の公差の欄には表(1)とあります。

そのため、量目交差表の表(1)で該当する「100グラムを超え500グラム以下」の場合を確認する事で誤差は「2%(=6g)」であることが解ります。

なお、量目公差は不足の場合の規定であり、過量については対象外となります。

そのため、商品の特性に応じて不足しない量で内容量を記載する様にしましょう。

しかしながら、「正確な計量」が必要となりますので過量についても著しく不正確とはならない様にお気を付けください。

内容量表示のFAQ

経済産業省のウェブサイトでは具体的な内容量のよくある質問についても掲載しています。

<商品量目に関する質問>※経済産業省ウェブサイトに移動します。https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/52_qanda_ryoumoku.html

冷凍食品の内容量表示に関するよくある質問

この中でよく話題にあがる質問がQ7「「冷凍食品」の氷衣(グレース)は内容量に含まれるのか。」です。

内容量冷凍カニの例

冷凍のカニなどの魚介類には、表面にグレースと呼ばれる薄い氷の膜が付けられていて、乾燥や酸化などを防いでいます。

冷凍のカニやむきえびの場合、全体の10~15%位のグレースが付いており、解凍するとグレースが溶けて水になるので、その分だけ重量が減少します。

グレースを含めた重さで内容量を表示すると、お客様が解凍して食べようとした時には実際の重量は10~15%減少してしまうので、お客様に不利益が生じてしまいます。

「冷凍食品の内容量は、氷衣を除いた質量を示すので、含まれない。」という回答にある様に、商品に表示する値は正味量となります。

グレースは製造する際に多少のばらつきが生じますが、そのばらつきを考慮して内容量を表示する様にご注意ください。

用語辞典

食品品質管理・品質保証の専門用語「内容量」について解説します。わかりやすい用語辞典です。内容量とは、商品を容器包装に入れて販売する場合は、計量法と食品表示基準に基づき、内容量を表示をする必要があります。内容量の表示方法やルールを表示例を交えて詳しく解説します。

あとがき

食品表示の内容量表示について解説いたしました。

項目ごとに様々なルールがあり、食品表示を作成する際は細心の注意が必要です。私たち品質管理部では、食品表示に関することテーマごとによりわかりやすく解説する記事を多数アップしています。

ぜひ、皆様の業務にお役立ていただけましたら幸いです。わかりやすい食品表示についてより深く知りたい方はぜひ他の記事も読んでみてください。

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今回の更新はオージーフーズ品質管理部の和田が担当いたしました。

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和田
品質管理歴15年の品質管理チーム マネージャーです。食品表示検定上級、前職は健康食品メーカー。趣味はB級グルメ食べ歩き。

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