よくある質問~微生物検査編~

今回は微生物検査についてよくある質問をご説明いたします。

すでにご存じのようでしたらご容赦ください。


おかげさまで食品表示、eBASE、仕様書サービスについて多くの依頼をいただいております。現在も受付中ですが、対応枠は限られておりますのでお早めにご連絡ください。

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お申込み前

Q.どの項目を検査すればいいですか?

A.規格基準が存在する食品はその項目を実施します。
例)容器包装詰加圧加熱殺菌食品の場合「恒温試験」と「細菌試験(無菌試験)」
食品別の規格基準について(厚生労働省ホームページが開きます)

それ以外の食品の場合決まりはありませんが、上記規格基準がある食品と類似している場合は同じ項目を検査することも一つの方法です。
例)加熱した魚介類で「細菌数(生菌数)」「大腸菌群」「腸炎ビブリオ」を検査(ゆでがに、ゆでだこの基準)

もしくは、弊社で「細菌数(生菌数)」「大腸菌群(もしくは大腸菌)」「黄色ブドウ球菌」の三項目セットがありますので、安く多くの項目を検査したい場合はこちらをご検討ください。
細菌数(生菌数)、大腸菌、黄色ブドウ球菌セット料金:税抜4,800円
細菌数(生菌数)、大腸菌群、黄色ブドウ球菌個々の合計料金:税抜5,550円
細菌数(生菌数)、大腸菌、黄色ブドウ球菌個々の合計料金:税抜6,000円

Q.大腸菌群と大腸菌どちらを検査すればいいですか?

A.一般に加熱済みである場合は「大腸菌群」
未加熱である場合は「大腸菌」を検査します。

大腸菌群と大腸菌の違いは過去の記事をご参照ください。

名前は似ているが、実は全然違う?!「大腸菌群と大腸菌の違い」について解説します。わかりやすい用語辞典です。商品の安全性の指標となることが多い、微生物検査の3項目にも挙げられます。 どんな商品に多く、検出された際の対策はどうすればよいのか一緒に学びましょう。

大腸菌群は広く一般に存在しているため、未加熱の場合、製造工程を完璧に制御したとしてもそもそも原材料段階で含まれている可能性があり、検出される場合があります。
大腸菌群(及び大腸菌)は熱に弱いため、効果的な加熱を行った食品には存在しません。
そのため、加熱済みであるにも関わらず大腸菌群が検出された場合は、加熱後の工程に問題がある可能性が高いと判断することができます。

検査結果について

Q.細菌数(生菌数)で「<300/g」と書かれていますが、どういう意味ですか?

A.「<300/g」は「1g中に細菌数(生菌数)が300個未満の検出限界以下である」という意味になり、極めて少ないため問題のない結果です。
(ただし無菌という意味ではないことに注意が必要です)

細菌数(生菌数)は検体を希釈液で10倍、100倍、1000倍と希釈して培地と混合して培養します。
そして発生した菌のコロニーをカウントするのですが、
発生したコロニー数が少ない場合はぶれの影響が大きく
(1個と2個の場合と、99個と100個を比較すると同じ1個の違いでも影響の差が大きいことがわかるかと思います)
多すぎるとコロニー同士がくっつくなど正確なカウントができません。
そのため、30~300個のコロニーが発生した希釈倍率を有効とします。
10倍希釈した際に30個未満であった場合、それ以上細かく検査することができないため、
30個×10倍=300個未満は測定不能として「<300/g」と判定されます。

Q.細菌数(生菌数)で「5.3×104/g」のように書かれていますが、どういう意味ですか?

A.「×104」は10の4乗(10000)をかけ算するという意味になり、53,000個/gという意味になります。
同様に「5.3×102/g」は530個/g、「5.3×103/g」は5,300個/g、
「5.3×105/g」は530,000個/gとなります。

Q.細菌数(生菌数)で多く菌が出ましたが大丈夫ですか?

A.規格基準が存在する食品は基準以上の菌が発生した場合問題となります。
食品別の規格基準について(厚生労働省ホームページが開きます)

それ以外の食品については明確な基準はありませんが、
冷凍食品の規格基準で
加熱しないで食べる食品:10万個以下/g
加熱して食べる食品のうち、製造時に凍結前加熱を行っている食品:10万個以下/g
加熱して食べる食品のうち、製造時に凍結前加熱していない食品:300万個以下/g
という基準がありますので、これを参考にすることも可能です。

Q.陽性という結果が出ましたが問題ありませんか?

A.陽性である場合はその菌が存在するということですので、問題ないということはできません。
原材料由来、工程由来(洗浄や殺菌不足など)、作業者由来など一つ一つの可能性を確認して原因を特定し、是正する必要があります。

ただし、未加熱の食品で大腸菌群検査をした場合等、どう気を付けても検出される可能性がある場合があります。
その場合は、大腸菌群ではなく大腸菌で再検査をするか、加熱して食べる食品であれば問題ないものとして販売することも考えられます。
実際に小麦粉を主な原料として未加熱の冷凍食品(冷凍パン生地、冷凍ピザ生地等)は、
小麦粉に大腸菌が存在する場合があり、必ず加熱してから食べることから通常必須となっている大腸菌(E.coli)陰性を満たさなくても問題ないとされております。

食品別の規格基準について(厚生労働省ホームページが開きます)
冷凍食品の規格基準1(3)参照

追記

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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