弊社では日々、表示チェックや作成を行っておりますが、添加物の規定については奥が深いなと日々感じております。
今回のメルマガでは、消費者庁通知「食品表示基準について(別添 添加物関係)」に記載されている内容について、その一部をご説明させていただきます。
▼消費者庁HP 食品表示基準について(通知本体) ※添加物は5ページ(4)を参照ください
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms205_240830_02.pdf
▼消費者庁HP 別添 添加物関係
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_240301_02.pdf
(※リンクをクリックすると消費者庁のページ(PDF)が開きます。)
1.一括名表示での注意点について
添加物は原則として物質名を表示しますが、「別添 添加物関係」に規定された一括名の定義(目的)及び添加物の範囲に該当する場合に限り、物質名を表示する代わりに一括名表示をすることができます。
一括名は、以下の14種となっています。
「乳化剤」や「調味料(アミノ酸等)」など、一般的な加工食品では高い頻度で表示名として使用されており、馴染みがある方も多いと思います。
しかし、単にその目的で使用したからといって、すべての添加物でその一括名を使用できる訳ではありません。
冒頭でも記載したとおり、「別添 添加物関係」に規定された添加物(物質)の範囲内である必要があります。
例えば、「カゼインナトリウム」については乳化目的で使用している場合でも、この範囲内に記載がない物質であるため「乳化剤」と表示することはできず、「カゼインナトリウム」と物質名で表示することになります。
製品中に他で「乳化剤」と表示できる添加物を使用していたとしても、一緒にまとめることはできず、「乳化剤、カゼインナトリウム」のように分けて表示することになるので、注意が必要です。
2.天然香料基原物質リストについて
「香料」の表示は前項で記載したとおり一括名であり、「別添 添加物関係」において表示できる添加物(物質)の範囲内が定められております。
その範囲として記載された添加物の最後に、「別添 添加物2-2に掲げる添加物」との記載があります。
この「別添 添加物2-2」とは、48枚目以降に記載されている「天然香料基原物質リスト」です。
「天然香料基原物質リスト」は、自然界に存在している動植物から抽出された、天然香料として定めた物質のリストになります。
菓子類などでよく使用される「バニラ」や「バター」、「イチゴ(ストロベリー)」等の一般的な香料はこの中に記載されております。
この中に記載されているものは、「香料」と一括名で表示することができます。
しかし、この中に記載されていない場合は、「香料」と表示することはできません。
添加物の物質名で表示する必要があります。
海外からの輸入食品など、海外では一般的に天然香料として使用されているものでも、このリスト内に記載されていない(日本では天然香料としていない)香料を使用していることがある場合がありますので、ご注意ください。
また天然香料を使用し、一括名ではなくその物質名で表示したい場合は、基原物質名又は別名に「香料」の文字を付す必要があります。「バニラ」だけでの表示はできないため、「バニラ香料」のように表示してください。
3.一般飲食物添加物の表示について
一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるものを「一般飲食物添加物」といい、例えば、ブルーベリーの果汁を着色料の目的で使用した場合や、ヨモギの抽出物を苦味料等の目的で使用した場合は、食品ではなく添加物として表示することとなります。
一般飲食物添加物に該当するかどうかは、「別添 添加物関係」の57枚目以降に記載されている「別添 添加物2-3」の品目リストをご確認ください。
一般飲食物添加物に該当する場合、物質名の表示は、このリストに記載されている品名(細分類の品名を含む)で表示する必要があります。
ブルーベリーの果汁を着色料の目的で使用した場合、「着色料(ブルーベリー果汁)」または「着色料(ブルーベリージュース)」と表示する必要があります。
「着色料(ブルーベリー)」「着色料(ヌマスノキ)」のように、リストに無い品名で表示することはできません。
なお、このリストに記載されていない食品を添加物として使用した場合は、当該添加物であることが特定できる科学的に適切な名称をもって表示することとされています。
添加物について、通常使用している添加物以外については、規定を把握していないこともあるのではないでしょうか。内容に不明点や不安がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度「食品表示案の作成」「食品表示チェック」をお試しくださいませ。
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