間違いやすい栄養成分表示について解説します!

栄養成分表示が義務化されてからしばらく経過していますが、表示方法に誤りがあることが多々見受けられます。

今回は間違いやすい栄養成分表示について解説していきます。

また、最後に栄養成分表示で今検討されている内容について解説します。

おかげさまで食品表示、eBASE、仕様書サービスについて多くの依頼をいただいております。現在も受付中ですが、対応枠は限られておりますのでお早めにご連絡ください。

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1.基本の表示での間違い

まず、基本の表示ルールについては過去の記事にまとめております。こちらをご参照ください。

食品表示法の施行とともに、「原則として全ての予め包装された一般消費者向け加工食品及び添加物」において表示が義務付けられた「栄養成分表示」について、基本的な表示方法をご紹介。文字サイズや表示の順番、表示値の許容差の範囲など、オージーフーズの品質管理スタッフが詳しくわかりやすく解説いたします。

栄養成分表示は、表示順番や表示単位が細かく規定されています。

熱量 ●kcal、たんぱく質 ●g、脂質 ●g、炭水化物 ●g、食塩相当量 ●.●g

よく見受けられる間違いは…

(1)熱量(エネルギー)の単位「kcal」を「cal」や「cal」と表示してしまう。

(2)食塩相当量の値は、「1.5g」のように小数第1位まで表示しないといけないですが、整数のみを表示してしまう。

(3)「糖質」と「食物繊維」を併せて表示する際に、炭水化物の下に1字下げて「-糖質」「-食物繊維」と表示しなければならないが、文字を詰めて表示してしまう。

【NG例】    【正しい例1】    【正しい記載例2】

炭水化物     炭水化物       炭水化物

―糖質       ―糖質        糖質

―食物繊維     ―食物繊維      食物繊維

※「-」は省略して差し支えありません。

(4)栄養成分の強調等を行っておらず、栄養成分値のばらつきがある場合は「推定値」または「この表示値は、目安です。」と表示しますが、「この表示は目安」等と規定通りに句読点を付けずに表示してしまう。

※これは直ちに違反とまでは行きませんが、規定通りに表示することが望ましいです。

また、同じように食品単位は「あたり」ではなく「当たり」と表示することが推奨されています。

2.栄養成分の強調表示での間違い

「栄養強調表示」の基本の表示ルールについては過去の記事にまとめております。こちらをご参照ください。

商品に『高カルシウム』『低カロリー』『減塩』などの「栄養強調表示」をおこなうにあたり、基本的な考え方や、食品表示基準により定められた基準値、注意点をご紹介。オージーフーズの品質管理スタッフが詳しくわかりやすく解説いたします。

商品の特徴をパッケージに謳う際によく見る「栄養強調表示」ですが、複雑な表示ルールがあるため間違いやすくなります。

よく見受けられる間違いは…

(1)栄養強調表示は「高たんぱく質」のみであるため、「たんぱく質」以外の栄養成分を合理的な推定値で表示してしまう(栄養成分表示の近接した場所に、「推定値」または「この表示値は、目安です。」と表示してしまう)。

→栄養成分の機能の表示や栄養強調表示をする場合、表示する全ての栄養成分について、許容差の範囲内にある必要があります(合理的な推定により得られた値は認められません)。

(食品表示基準Q&A(最終改正 令和6年4月1日消食表第 214号) 加工-102より)

※注意※ 生鮮食品は、合理的な推定により得られた値の表示が認められています。

(2)「ノンシュガー」の表示を「砂糖不使用」「糖類無添加」の規定として確認してしまう。

「ノンシュガー」は糖類に係る「含まない旨」に該当します

(3)製品ではなく、原材料について栄養強調表示をする場合は規定がないから自由に表示できると考えてしまう。

→原材料について栄養強調表示をする場合、最終製品についても栄養強調表示の基準を満たしていることが望ましいです。最終製品中の含有量が極めて低い(高い)にもかかわらず、原材料についてのみ栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨を表示することは不適当になります。

(4)別表第9に掲げられた栄養成分で、栄養強調表示の規定がない栄養成分を強調表示する場合に栄養成分表示にその栄養成分を表示しない。

栄養成分表示の枠内に当該栄養成分の量を表示しなければなりません

また、栄養強調表示の規定がない成分についても、科学的根拠に基づき、販売者の責任において表示する必要があります。

3.前面栄養表示について

消費者庁は2024年7月に「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」の初会合を開き、検討が行われました。

望ましい栄養・食生活の形成に対する関心の高まりから、諸外国では、栄養成分表示に加え、包装前面に栄養に関して分かり易く消費者に訴求する表示「容器包装前面栄養表示(Front of Pack Nutrition Labelling:FOPNL)」を導入する動きが活発化しています。

第2回分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会 参考資料3より抜粋

(消費者庁HPより)

日本でも健康・栄養政策と連携した食環境づくりの推進等のために、日本版 FOPNLが検討されています。

今回の検討では、下記の案が挙がっています。

・対象となる栄養成分(義務表示に位置付けられている熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)とすることが適当)等の量に加え、栄養素等表示基準値に占める当該量の割合を表示すること

・食品単位を当該食品の 1 食分であることを原則とし、当該1食分の量を合わせて表示すること

・任意表示の取組と位置付けた上で、一定のルールが必要であること

・様式を統一すること

▼参考:我が国における包装前面栄養表示の検討の方向性(消費者庁HPより)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_008/assets/food_labeling_cms206_20240329_01.pdf

この件については、また進展がありましたら、記事にさせていただきます。

4.あとがき

表示ミスが不安な方は
弊社の「食品表示案の作成(18,000円(税抜)~)」「食品表示チェック(7,200円(税抜)~)」のプランをご検討ください。

他にも、「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円(税抜)~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円(税抜)~)「食品表示・品質管理お悩み相談」(年間90,000円(税抜))なども承っております。人手が足りないなどのお悩み事がございましたら、お気軽にお声がけください。
※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

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徳原
前職は製菓・製パンの卸の品質管理を担当していました。 食品表示検定上級、品質管理検定(QC検定)3級、マーケティングビジネス実務検定B級、惣菜管理検定3級の資格を持っています。好きな食べ物は米、酢です。

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