含むの? 含まないの? 「以上」「以下」「未満(満たない)」「超える」「上回る」「下回る」

国語の授業のようですが、食品表示を作っていて注意しなければならないことに「以上」「以下」「未満(満たない)」「超える」「上回る」「下回る」といった用語があります。

例えばある成分が20%入っていて、「10%以上ある場合」「10%を超える場合」「10%を上回る場合」とあった場合、20%の方が多いので三つ全てで該当します。
ですが、ちょうど10%入っていた場合はどうでしょうか?
今回は「以上」「以下」「未満(満たない)」「超える」「上回る」「下回る」の解説と、実際に表示作成を行う際の事例を解説いたします。

以上

以上は同じ数字を含み、その数字よりも上という意味になります。
そのため、10%は「10%以上ある場合」に含まれます。

超える

超えるは同じ数字を含まず、その数字よりも上という意味になります。
そのため、10%は「10%を超える場合」に含まれません。

上回る

上回るは同じ数字を含まず、その数字よりも上という意味になります。
超えると同じ条件です。
そのため、10%は「10%を上回る場合」に含まれません。

以下

以下は同じ数字を含み、その数字よりも下という意味になります。
そのため、10%は「10%以下の場合」に含まれます。

未満(満たない)

未満は同じ数字を含まず、その数字よりも下という意味になります。
そのため、10%は「10%未満の場合」に含まれません。

下回る

下回るは同じ数字を含まず、その数字よりも下という意味になります。
未満と同じ条件です。
そのため、10%は「10%を下回る場合」に含まれません。

実際の事例

①複合原材料に含まれる原材料を括弧で表示する場合、食品表示基準第三条に

当該複合原材料の原材料が三種類以上ある場合にあっては、当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高い順が三位以下であって、かつ、当該割合が五パーセント未満である原材料について、「その他」と表示することができる。

と記載されております。
これは括弧内の原材料を「その他」と記載できる条件です。

当該複合原材料の原材料が三種類以上ある場合・・・「以上」のため三種類、四種類、五種類・・・と三より多ければ該当しますが、二種類は該当いたしません。

当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高い順が三位以下・・・「以下」のため三位、四位、五位と三位より下であれば該当いたしますが、二位は該当いたしません。

当該割合が五パーセント未満である原材料・・・「未満」のため五パーセントちょうどでは該当いたしません。4.99999999・・・%以下であれば該当します

上記を踏まえると、二番目に多かったり、五パーセントちょうどの当該複合原材料の原材料は「その他」と表示することはできないとわかります。

②食品表示基準別表第三果実飲料の「果汁入り飲料」の定義の一部に

糖用屈折計示度が表3の基準(中略)の十パーセント以上百パーセント未満のもので、かつ、果実の搾汁及び還元果汁の原材料及び添加物に占める重量の割合が果実の搾汁、還元果汁、砂糖類、蜂蜜及び水以外のものの原材料及び添加物に占める重量の割合を上回るもの

とあります(一部を抜粋しているため、他にも定義があります)

十パーセント以上百パーセント未満・・・「以上」のため十パーセントちょうどは該当し、「未満」のため百パーセントちょうどは該当いたしません。

果実の搾汁及び還元果汁の原材料及び添加物に占める重量の割合が果実の搾汁、還元果汁、砂糖類、蜂蜜及び水以外のものの原材料及び添加物に占める重量の割合を上回るもの・・・「上回る」のため【果実の搾汁及び還元果汁の割合】と【「果実の搾汁」「還元果汁」「砂糖類」「蜂蜜」「水」以外の原材料・添加物の割合】が全く同じ場合は該当いたしません。

③栄養強調表示は食品表示基準第七条に

高い旨の表示は(中略)基準値以上である場合にすることができる。

含む旨の表示は(中略)基準値以上である場合にすることができる。

強化された旨の表示は(中略)基準値以上である場合(たんぱく質及び食物繊維にあっては他の食品に比べて強化された割合が二十五パーセント以上のものに限る。)にすることができる。

含まない旨の表示は(中略)基準値に満たない場合にすることができる。

低い旨の表示は(中略)基準値以下である場合にすることができる。

低減された旨の表示は(中略)低減された当該栄養成分の量又は熱量の量がそれぞれ同表の第四欄に定める基準値以上であって、他の食品に比べて低減された割合が二十五パーセント以上である場合(中略)にすることができる。

とあります。

高い旨、低い旨、強化された旨、含まない旨、低い旨、低減された旨は、それぞれちょうどの数値を含む・・・と思いきや、含まない旨のみがちょうどの数値は含まないことに注意が必要です。

食品表示基準に沿った表示を作成するにあたって、「以上」「以下」「未満(満たない)」「超える」「上回る」「下回る」の取り扱いを間違うと違反となってしまう可能性があるため注意が必要です。

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関根
品質管理歴14年。食品表示検定上級の資格を持っています。 前職はパン・米飯メーカー。 好きな食べ物は甘いもの、かつ丼、酢飯。

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