酒類の食品表示ルールについて解説します!

こんにちは、オージーフーズ 品質管理部の徳原です。

今回のテーマは、「お酒(酒類)」になります。
酒類は食品表示基準だけではなく、酒類業組合法や酒税法等でも規定されており、他の加工食品と異なったルールがあります。
表示ルールなどをまとめましたので、ご参考にしていただけたらと思います。

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酒類の定義と分類

表示ルールを説明するにあたり、まずは酒類の定義と分類についてまとめました。

定義

酒税法において酒類とは、「アルコール分1度以上の飲料」をいいます。(酒税法第二条)

「アルコール分」とは、温度15℃の時において、原容量100ml中に含有するエチルアルコールの容量のことです。

これは、希釈してアルコール分1度以上の飲料とすることができるものや、溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。

また、アルコールを含む菓子類等(アルコールを含有する菓子類及びアイスクリーム類並びにその他の食品)であっても、融解又は溶解により飲用することができ、かつ、アルコール分が1度以上のものは酒類に該当します。

ただし、次に掲げる事項の全てを満たすものについては、強いて酒類には該当しないものになります。

(1) 一般に飲用に供されるものではないと認知されているもの(2) 実態として、通常飲料として供されるものとは認められないもの

(3) 製品の形状を維持することを目的とした製造行為が行われるもの又は食品添加物等が使用されるもので、氷菓以外のもの

例えば、アルコールを含有する飴は、上記を全て満たすため「酒類」に該当しません。

分類

酒税法では、酒類の製法や性状に着目して、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の4種類に分類し、さらに下記のようにに分類されています。

・発泡性酒類:ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類・醸造酒類:清酒、果実酒、その他の醸造酒

・蒸留酒類:連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ

・混成酒類:合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

▼酒類の分類 ※国税庁のリンクが開きます。

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/01/01.pdf

酒類の表示ルール

食品表示基準において、酒類(一般用加工食品)の表示ルールをまとめました。

義務表示

酒類で表示しなければならない項目は下記になります。(食品表示基準 第三条より)

・名称(品目)

・添加物

・内容量

・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所

・製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称

・L-フェニルアラニン化合物を含む旨

遺伝子組換え食品に関する事項(※1)

・原料原産地名(輸入品を除く。)

(※1)遺伝子組換え食品に関する事項については、ビール類(ビール・発泡酒・いわゆる新ジャンル)や焼酎・ウイスキー等の蒸留酒は対象外になります。

発酵・蒸留後の酒類に遺伝子組換え農産物(その加工品を含みます。)を主な原材料として混和した酒類は、遺伝子組換えに関する表示ルールに従って表示を行う必要があります。

任意表示

食品表示基準において、下記の項目は表示義務がないとされています。(食品表示基準 第三条、第五条より)

原材料名(※2)

・保存の方法

・消費期限又は賞味期限

・栄養成分の量及び熱量

原産国名(※3)

・アレルゲン(※4)

(※2)(※3)清酒の製法品質表示基準や果実酒等の製法品質表示基準により義務付けられているほか、公正競争規約などに基づく表示が行われています。(食品表示法における酒類の表示のQ&Aより)

(※4)アレルゲンに表示義務がない理由としては、「酒類については、アルコールを摂取することにより、顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応があるため、その反応が特定原材料等の抗原性によるものかアルコールの作用によるものかを判断することは極めて困難であり、アレルギー疾患を引き起こすとの知見が得られにくいため」とされています。

酒類においても、米、米こうじを使用しているものは「米トレーサビリティ法」の対象となります。

また、「機能性表示食品」はアルコールを含有する飲料は除外されているため、対象外となり、「栄養機能食品」はアルコール摂取による健康への悪影響も否定できないことから、表示をすることは望ましくないとされています。

食品表示基準の任意表示のものを表示しようとするときは、

「保存の方法」、「消費期限又は賞味期限」、「栄養成分の量及び熱量」については食品表示基準で定める方法により表示しなければなりません。

また、「原材料名」、「アレルゲン」、「原産国名」については、食品表示基準で定める方法により表示するよう努める必要があります。(食品表示基準 第四十一条より)

食品表示基準やその他の法令等の関係

食品表示基準だけではなく、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(酒類業組合法)や公正競争規約等により、酒類の種類によって表示しなければならない事項が規定されています。

・アルコール分

・税率の適用区分

・発泡性を有する旨  など

表示に際しては、食品表示法(食品表示基準)のみならず、他の法令や公正競争規約の規定も満たすように表示する必要があります。

一方のみの基準に基づき表示し、他を省略してよいということではありません

食品表示基準やその他の法令や公正競争規約で表示が義務付けられている事項については、それぞれの法令に従って表示することが必要で、これらの事項は、一括表示部分に表示することができます。

公正競争規約は、景品表示法に基づいて、消費者庁及び公正取引委員会が認定したものであり、これは品目ごとの公正取引協議会の会員が表示の義務を負うものになります。(公正取引協議会の非会員であっても公正競争規約に則り表示することで、消費者にとってより親切な表示を提供することができます。)

アルコール含有のチョコレート類

全国チョコレート業公正取引協議会は、アルコール含有のチョコレート類に対して下記の表示をすることをルール付けました。(2021年12月10日改正)

(1)製品中にアルコール分が1%以上含まれるものは、そのアルコールの含有率を表示する

(2)異なったアルコール分を含んだ製品を詰め合わせたもので、個包装(1粒)当たりのアルコール分が1%以上含まれるものは、そのアルコールの含有率を表示し、どの個包装のものか判別できるように表示することが望ましい

上記は、商品名と同一視野内に表示し、文字の前に「注意」の文字を付することが望ましいとされています。

(参考資料)

▼酒税法 ※国税庁のリンクが開きます。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sake/2-01.htm#a-05

▼食品表示法における酒類の表示のQ&A ※国税庁のリンクが開きます。

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/sakeqa/3007.pdf

▼チョコレート類の表示に関する公正競争規約 ※全国チョコレート業公正取引協議会のリンクが開きます。

https://media.toriaez.jp/s2990/556.pdf

あとがき

食品表示基準にルールが統一されたとはいえ、酒類に限らず、食品によって様々な表示ルールが存在します。正確な内容になっているか不安な方、品管業務の人手が足りない会社様は是非オージーフーズの「表示のチェック」(7,200円~)、「表示案の作成」(18,000円~)、「規格書作成代行」や「規格書照合」サービス(15,000円~)、「eBASE入力代行」サービス(20,000円~)にご依頼ください!
※BtoBプラットフォーム規格書は利用規約の関係で作成代行をお受けしかねます。

秘密保持契約を締結することも可能です。

また、栄養成分分析(基本5項目)」(10,000円~)、栄養成分の計算」(5,000円~)、微生物検査(基本3項目)」(4,800円~)も実施することが可能です!

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今回の更新はオージーフーズ品質管理部の徳原が担当いたしました。
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徳原
前職は製菓・製パンの卸の品質管理を担当していました。 食品表示検定上級、品質管理検定(QC検定)3級、マーケティングビジネス実務検定B級、惣菜管理検定3級の資格を持っています。好きな食べ物は米、酢です。

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