食品製造現場の異物混入クレームを防止するために気を付けるべきことを解説いたします。
私は昨年まで食品メーカーで自工場や原料メーカーの工場調査を行っておりました。
オージーフーズに入社してからも、自社で取り扱っている商品の製造メーカーへ工場調査に行っております。
先月も品質管理部全体で十数工場の調査を実施いたしました。
異物混入クレームに悩まれている方はご参考にしていただけますと幸いです。
注意するポイント
まずはHACCPの物理的危害要因に注意すべきです。
HACCPの生物的要因(微生物)については過去に解説しておりますので下記の記事をご参照ください。
異物除去装置
HACCPを導入し、CCPとして異物除去装置(金属検出機、X線異物検出機等)を設置している工場も多いのではないかと思いますが、適切な運用ができていなければその性能を十分に発揮することができません。
そうした事態を防ぐためにも、「異物除去装置で反応した物を入れておく場所」を明確に設定しておくことが必要です。
異物除去装置によって検出し難い状況は異なりますので、異物除去装置のメーカーと十分に相談し、動作確認の方法を決定する必要があります。
異物除去装置で発見できない異物
HACCPにおける物理的危害要因は主に健康被害を及ぼす危険性がある異物を想定していますが、実際にクレームとなるのは髪の毛、包材片、器具の汚れなど、むしろ健康被害よりも不快感に起因する方が多いのではないでしょうか。
また、飲食店などではなかなかそうした機器を導入することが難しいと思われます。
そうした場合、まず食品に異物が付着しないようにすることが重要となってきます。
例えば製造現場の床の隅に髪の毛が落ちていたとしても、すぐに異物混入には繋がりません。
しかし、商品を入れる容器(食品が接する部分)や、その上の棚(食品が接する部分の上部)に髪の毛が落ちていた場合、異物混入の危険性が極めて高いです。
もちろん床の隅を放置していいというわけではなく、「食品に接する部分及びその上部」は製品の切り替えごとに清掃し、床の隅は1日の終わりに清掃する等、メリハリをつけることが重要です。
工場調査を行う際にも、床の隅は汚れが酷くないか確認するに留め、「食品に接する部分及びその上部」を重点的に確認しております。
清掃状況の確認は作業者の立場で
異物混入防止には機器の清掃状況も重要となってきます。
ボウルやバケツの折り返し部分や、分解しないと奥まで手が届かない機器など、自分か清掃するなら「面倒くさい」と思うような場所を見てみると、汚れが見つかったりします。
逆に、そういう部分の無い機器を購入するというのも有効な手段です。
あとがき
もし他に良い異物混入クレーム防止方法がありましたらお教えください。
ご紹介させていただきます。
東京はちょっと暖かい日が続いたかと思えばまた寒くなってきました。
お体には十分お気を付けください。
今回のメールマガジンはオージーフーズ品質管理部の関根が担当いたしました。
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オージーフーズ品質管理部メールマガジン2020.11.27発行号
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