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流通加工とは
流通加工とは、流通の工程の中でその商品に付加価値を付ける加工を指します。
流通加工は商品がお客様のお手元へ届く前に行われる様々な加工作業のことです。もともとは工場や販売の場で行われていた作業でしたが、商品が流通する過程で行った方が結果的に物流コストを低減でき、更にお客様にとって便利な商品になるメリットがあります。
多種多様の業種において流通加工は行われています。
流通加工の作業例
流通加工作業の例を挙げていくと、商品にラベル張り、値札などのタグ付け、自転車などの組み立て、生地などを必要なサイズにする裁断、様々なお菓子をアソートする詰め合わせ、大きなサイズの容器から小さく販売しやすいサイズの容器に詰め替え、等々が流通加工です。
近年需要が高まっている作業例としては、パソコンの組み立てからカスタマイズまですることも流通加工だと言えます。
とくに食品通販業界の進歩と需要の高まりもあり、流通加工はより複雑でレベルの高い作業が要される場合もあります。
食品専門物流センターのオージーフーズ物流部で承っている流通加工作業例
オージーフーズの物流センターは食品専門の物流センターです。
様々な流通加工を承っておりまして、どれもが食品にまつわる作業です。例えば、御中元などギフト品にを貼付けたり、ギフト包装をしたり、品質を保つための三温度帯での保管、賞味期限シールを貼り付ける作業も流通加工です。
流通加工の目的
流通加工の目的は、お客様が「何らかの作業をすることを前提として購入したもの」を代わりに流通の過程で物流センターが作業しておくことでお客様の負担を減らすことにあります。
それに加えて、商品に付加価値を付けることにより、通常よりも高い値段で販売することができ、より多くの利益が見込めます。
例えば、「布」を例に流通加工を解説します。
お客様が大きな布を購入した場合、お客様自身で使うサイズ分に切り分ける作業をしなければなりませんね。そこで、流通加工として「1mごとに切り分けて発送する」という工程を経てお届けします。
そうすると、お客様としてはカット済みの布を手に入れることができ、自分で切り分ける作業が楽になります。また販売時も「便利なカット済みの布」として価値を付け、その付加価値の分、販売価格をアップできるという訳です。
流通加工の課題
便利で需要のある流通加工ですが、作業の工程が増える分、人手を多く必要とされる点が課題と言えます。
システム化することが出来ればいいのですが、商品やお客様ごとに流通加工へのニーズは様々です。なかなか一元化はできません。ですから、流通加工を行う際には様々な加工に対応する必要があるため、請け負う物流倉庫側としては人件費などのコストがかかりやすいと言われています。
流通加工をアウトソーシングするメリット・デメリット
アウトソーシングするメリット
メリットとして、アウトソーシングする事により、人員調整、スペースの管理等の調整が不要になり、配送物量に応じての支払いとなります。そのため自社での倉庫・人員を確保するよりコスト削減につなげられるケースが高くなります。
また、自社の負担を減らして本来の注力すべき業務に労力を投下する事が可能となります。
アウトソーシングする業者は物流作業を専門的に行っている為、ノウハウを持っているだけでなく、物量や要望の変化に専門的な技術で素早く対応する事が可能で、結果的に効率と品質アップに繋げられます。
急速に規模が拡大することもあるEC事業において物流の作業効率と品質を上げて安定的に運用が可能になる事は大きなメリットです。
アウトソーシングするデメリット
デメリットとして、アウトソーシング業者と連携不足があると物流品質が低下する恐れがあります。自社で同業務を行うケースと比較して、トラブルやアクシデントなどのイレギュラーな事態が起きたときや、一時対応の連携に遅れが生じた場合、問題の早期解決ができず物流の品質を低下させてしまう恐れがあります。
これらを回避するには日頃よりアウトソーシング先との綿密なコミュニケーションや作業進捗の把握が必須となります。また、その事例を踏まえたルールやマニュアル化等の運用が必須となります。
また、サービスとコストのバランスを運用開始時と開始後定期に確認するなどの作業が必須です。任せる内容が多いとコストは高まる事や、想定と実際の作業にギャップある場合にも早期の対応が欠かせません。