目次
ウイング車とは
ウイング車とは、車体の側面のパネルバンやアルミバンが翼のように跳ね上がり、荷物を両サイドから積み下ろし出来るトラックのことを指します。
ウイング車のボディの側面は二つに分かれていて、下半分があおり戸のように下に開き、上半分は油圧や電動モーターを使い開閉されるタイプのものが現在の主流です。
側面の扉が閉じた状態では、外観だけなら一見すると、通常よくある後ろの扉が開閉するタイプのトラックとほぼ見分けがつかないかもしれません。
側面の扉が開く姿を見たら、その豪快な姿にびっくりするかもしれませんね!
別名
ウイング車は別名「ガルウイング車」「ウイングボディ車」「側面開閉車」等々とも言われます。
これは側面のパネルを跳ね上げた姿が鳥が翼を広げている姿を連想させるからだそうです。
トラックの種類
ちなみに、「トラック」と聞いてイメージされやすい箱型の荷台の後方などの開閉扉から荷物を出し入れする形式のトラック類は「パネルバン車」「アルミバン車」「ドライバン車」等々と呼ばれます。
それぞれに使い勝手の良さがあり、ドアの位置や開閉方法に特長があります。
輸送する荷物の特長や積載量、積み込み作業の方法など全体的な面からどのトラックを使うと効率が良いかを判断したいですね!
ウイング車の種類
ウイング車には、開口部の側面が幌製のものや、炭素繊維強化プラスチック製のタイプも存在しますが、軽量で耐久性のあるアルミ製タイプが主流となっています。
ウイングボディの開き方
一口にウイング車といっても種類は様々。側面のパネルの跳ね上げ方で分類すると、天井一体型と天井固定型の2種類に分けられます。
- 天井一体型・・天井の支点を中心に、側面のパネルと天井が一体となって90度近く持ち上がる構造です。ウイング車のメリットの一つであるフォークリフトでの作業がしやすく、現在主流となっているタイプです。
- 天井固定型・・左右のパネルのみが持ち上がり、天井が固定された仕様のウイングタイプです。フォークリフトでの作業は困難ですが、跳ね上げた側面のパネルが屋根代わりとなり、悪天候下での作業もしやすいメリットもあります。
ウイング車の寸法
ウイング車は、ベース車両となるトラックメーカーの規格や車両によって、サイズと荷台寸法が異なります。ここでは、目安となるサイズをご紹介いたします。
小型ウイング車
小型ウイング車は、2t.3tの小型トラックをベースに製造されています。コンパクトな車体サイズです。
目安のサイズ
全長 | 4.6m |
全幅 | 1.7m |
全高 | 2m |
荷台寸法 | 長さ3.1m×幅1.7m×高さ1.9m |
中型ウイング車
中型ウイング車は、4tトラックなど中型トラックをベースに製造されたウイング車です。
目安のサイズ
全長 | 8.5m |
全幅 | 2.5m |
全高 | 3.5m |
荷台寸法 | 長さ6.2m×幅2.2m×高さ2.4m |
大型ウイング車
大型ウイング車は、10tクラスの大型トラックをベースに製造されたウイング車です。
目安のサイズ
全長 | 12m |
全幅 | 2.5m |
全高 | 3.5m |
荷台寸法 | 長さ9.6m×幅2.4m×高さ2.6m |
ウイング車のメリット
ウイング車のメリットはなんといっても大量の荷物の積み込みやすさです。
通常のトラックの場合は荷物を積み込むのが荷台後ろの開閉扉のみとなってしまいますが、ウイング車は両サイドから荷物を積み込むことが可能です。後ろのドアからは入りきらないサイズの荷物でも楽に積むことが出来ますし、荷物と荷物の隙間を開けずびっしりと荷物を積むことが出来ます!
また、フォークリフトでの作業が格段にしやすくなります!
大きな荷物でもフォークリフトを用いて積むことが可能になりますし、パレットに乗せた荷物をそのまままるごと積み込むことも出来ます。作業効率が抜群に良くなりますね。
ウイング車のデメリット
近年、ウイングを開けているにもかかわらず走行してしまい、ウイングを接触させてしまう事故が多発しています。
その対策として、エンジンキーがOFFの位置にないとウイングを操作できないようにする安全装置がつけられている車両が増えてきています。さらに警報装置もついており、こちらはウイングの状態をアラームと警告表示により知らせてくれるというものです。
また、ウイング車のデメリットとして導入するためのお値段が少々張るという点も悩みどころですね。
そして、大型タイプが多いウイング車ではありますが、純粋な荷台だけでなく扉の開閉装置も設置するため最大積載量がその分減るという点も把握しておきましょう。
扉の開閉がある分、積み込み作業場スペースや駐車場のスペースの確保が必要になります。
ちなみに、小型タイプのウイング車であれば開閉装置が手動で動く車両もあるようですよ。ただしそうなるとドライバーさんの力仕事が増えてしまうので、小回りを取るか、労力を取るか、最適な手段を選びたいですね!