低温物流とは
「低温物流」とは、食品などの商品を生産者か消費者へ届けるまでの過程をある一定の温度(低温、冷蔵、冷凍)に保ちながら流通させる物流方式を言います。生産・輸送・消費の過程で途切れることなく低温に保つことから、「冷たい連鎖=コールドチェーン(低温物流)」とも言います。
低温物流で発展した物流業界
低温物流(コールドチェーン)が登場したことで、物流は飛躍的に発展したといわれています。飛躍的に発展した理由は、いろいろな商品を鮮度・品質の高い状態で届けることが可能になったからです。生鮮食品では、長期保存が可能になり、海外への輸出も可能となるほど広域での流通が可能となり、食品廃棄ロスが大幅に削減でき、食品業界の効率性を高める結果をもたらしています。また温度管理が難しい商品の輸送が可能なため、医薬品や化学薬品、ワクチンパック、血液パックなどの輸送も可能となったため、医療機関にも重大な役割を果たしています。
低温物流で用いられる一定の温度は、商品ごとに異なった温度で管理しており、「3温度帯」や「4温度帯」というようないくつかの温度帯が業界全体で共通認識として用いられています。
低温物流の注意点
低温物流をうまく機能させるには、生産・加工施設や小売店舗における温度管理だけでなく、食品を運ぶ車両、コンテナ、保管倉庫などに全ての過程において、一定の温度で管理できる必要があります。低温物流の流通体系を整備するのに、多額のコストがかかります。さらに、海外も含めて考えた際には、輸送を可能とする交通網などを社会基盤から整備する必要があるため、金銭的なコストだけでなく時間的なコストがかかる場合があります。