多品種小ロットとは
「多品種小ロット」とは、顧客のニーズに対応した商品の仕様を用意し、生産ロットを少量でおこなっていく生産方法です。多品種小ロットは、「多品種少量生産」という言い方もします。「ロット」とは、製造業でよく使われる言葉で「同じ条件で製造される製品の製造数量、出荷数量の最小単位」という意味です。
必要なときに、必要なものを、必要な分だけ生産するという考え方で、トヨタ自動車が開発した生産管理の効率化システム「ジャストインタイム生産システム」が有名です。
EC物流での多品種小ロット
EC物流も、多品種小ロットの在庫管理を行っています。ECサイトでは、1回の取引あたりの出荷点数は少ないものの、消費者の嗜好は様々なため、できるだけ豊富な種類の商品在庫を抱え、多様なニーズに対応する必要があります。EC物流は、多品種少量型のため、様々な品目の商品が入荷するものの、商品の入荷数は多くありません。その代わり、在庫管理は複雑化します。1品目あたりの商品数は多くないため、ラック(棚)を用いた保管が多いです。また、多品種の商品のロケーション管理は、商品コードやバーコードを利用して、倉庫管理システムにデータを入力し、作業を自動化するのが一般的です。入荷作業がそれほど大変ではない代わり、梱包作業や出荷作業に手間がかかるのがEC物流です。受注管理システムなどを導入し、納品書や配送伝票の作成をなるべく自動化するECサイトの構築が求められます。
EC物流の梱包作業は、大量の消費者に向けた小口配送が多いため、人手を要求される作業です。消費者一人ひとりの特性に合わせ、梱包を工夫したり、同梱物をカスタマイズしたりしなければなりません。また、ギフトやプレゼント向けのラッピングサービスを提供している場合、お歳暮やクリスマスのシーズンには負担が大きく増加します。