ミルククラウンについて、料理撮影のプロがミルククラウンを撮影するコツを丁寧に詳しく解説します。お手本の撮影例も多数掲載いたします!
オージーフーズのフードコーディネーターがわかりやすく解説いたします。プロが料理撮影スタジオで撮影した例と、iPhoneで撮影した例もそれぞれ解説します。自分でもこんな撮影をしてみたいとい方にぜひ知っておきたい情報満載です。
目次
ミルククラウンとは
ミルククラウンとは、牛乳を注いだ水面に上から1滴を垂らし落とすと美しい王冠のかたちに反発して跳ね広がることを言います。つまり、牛乳が王冠の形に見えることを「ミルククラウン」と表現した言葉ですね。
ちなみに、「ミルククラウン」という名前がついていますが、牛乳に限らず水やジュース類などの他の液体でも同様に「ミルククラウン」と呼びます。
基本的には液体状のものであればこのように撮影することが可能です。撮影現場でお客様から「うちのドリンクをシズル感重視でミルククラウン風に撮りたい」とご依頼頂くこともしばしば。たしかに臨場感もシズル感もたっぷりに映りますね!
また、料理撮影の現場ではもちろん、最近ではこの「ミルククラウン」の形をモチーフにしたフェイクスイーツ雑貨やアクセサリー類も見かけたことがあります。なので、言葉としてはどこかで耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。
撮影例の写真をご覧いただくと、「あ~これがミルククラウンなのか!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうかଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭✧
プロの撮影環境で撮る!ミルククラウンを撮影するコツ
撮影道具について
ミルククラウンという名前ですが、実際は牛乳では粘度が足らず、きれいな形になりにくいんです…!そこでおすすめしたい代替えの液体として、牛乳よりも粘度が高く、跳ねた形がしっかりと美しい王冠形になりやすい「飲むヨーグルト」を使用しました。
今回の記事で撮影例のメインとして使用している写真はすべて飲むヨーグルトのミルククラウンですよ。気づきましたか?
- 液体(今回は撮影しやすさ重視で牛乳ではなく「飲むヨーグルト」を使用)
- バット
- スポイト
- レフ版+ストロボ等
- カメラ
ミルククラウン用の撮影道具としては、液体を入れるためのバットと液体を垂らすためのスポイトを準備しておきました。あとは、いつものカメラや照明器具ですね。
撮影方法のコツ
ミルククラウンの撮影方法のコツは「液量・高さ・ライティング」の3つのポイントをおさえることです!
まず、バットに注いでおく液量について。
バットに入れる液体の量は、少なすぎても多すぎてもやりにくくなってしまいますので要注意です。今回は、浅めのバットを用意して、そこにおさまるくらいの量(約2cmほど)で撮影しました。これくらいがちょうどよく、撮りやすいかと思います。
続いて、上から一滴を落とす高さについて。
バットにスポイトで液体を一滴だけ垂らし落とす際の高さも重要になります。高過ぎたり、低過ぎたりするとクラウンが小さかったり、跳ね過ぎたりしてしまいます…。
今回は色々な高さを試しましたが、撮影台から約70cmほどの高さから落とすのがやりやすいなと感じました!
液体は垂直に垂らさないと真上に反発しないので、キレイなミルククラウンにするためには、垂直に垂らすことも重要なポイントになります!
そして、撮影時のライティング(照明)選びについて。
すべての食材に言えることですが、料理撮影においてライティングは非常に重要なポイントです。ライティングひとつで輪郭や雰囲気の映り方が変わってきます。
今回は撮影例として、自然光、LED照明、ストロボの3通りの照明を使って撮影をしてみましたので、ぜひ比較して見てみてお好みのライティングの参考にしてください!個人的には、ライティングでは多くの光量が必要になるので、自然光よりもストロボやLED照明を使用したほうが撮影がしやすいなと感じました。
ライティングについてより深掘りして知りたい方は、下記記事も参考にしてみてくださいね。
カメラのピントを落下点に合わせて連写する
ミルククラウンにピントを合わせてくっきりと撮影するため、液体の落下点にピントを合わせて連写をして撮影しました。連写した大量の写真の中から、うまくミルククラウンができているベストショットを探します。
きれいな形を目指すには、数打てば当たるというような感じで根気よくやってみるのもポイントです!最初はうまくいかなくても、時間をかけて繰り返し挑戦することで、高いクオリティのミルククラウンが撮影できますので頑張りましょう(ง •̀ω•́)ง
ミルククラウン撮影時のシャッタースピードとストロボの設定について
シャッタスピードの設定は「1/200」で撮影しました。
ストロボの発光量の調整は自分で設定する「マニュアル」とストロボとカメラが協調して自動で光量を決める「自動調光」の2つがありますが、ミルククラウン撮影でストロボを使うなら「自動調光」がオススメです。
ですが、やはり簡単には思ったような形にはなりません。繰り返し、何度もシャッターを切ることできれいなミルククラウンを完成させましょう!
LED照明で撮影したミルククラウンの例
こちらの写真はLED照明とストロボを組み合わせて撮影したものです。光の玉がツヤっと反射し、くっきりと撮影することができ、影も映っていますね。
自然光で撮影したミルククラウンの例
こちらは自然光とレフ板をつかって撮影しました。ミルクの色味や質感がより自然な印象になるかと思います。
スマホ(iPhone)でミルククラウンを撮影してみた例
ミルククラウンの撮影はスマートフォンを使用してもできます!実際に自分のiPhoneを使ってチャレンジしてみましたよ୧꒰*´꒳`*꒱૭✧
スマホの場合でも、やはり飲むヨーグルトを用いた方がきれいに形が作れるかと思います。用意した道具(バットとスポイト)は、前述の通りスタジオで使用したものと同じものをそのまま使用しました。
iPhoneの「バースト撮影機能」を使用した撮影例
iPhoneのカメラの「写真」のボタン長押しで「バースト」という連写機能を用いて撮影しました。よくうっかりボタンを押し間違えてバシャシャシャッと連写してしまうアレです笑。
iPhoneの連写機能はとても便利で簡単なので、手軽に大量に撮って、きれいなミルククラウンを探しやすいという利点もありました!
iPhoneの「スロー撮影機能」を使用した撮影例
こちらはiPhoneの「スロー」という機能で動画撮影をして、その動画の中からスクリーンショットをしたものです。
スローの動画は1回のみの撮影でこのミルククラウンを撮影することができました。少し画質は悪くなっていますが、じっくり動画を確認しながらベストなミルククラウンを切り抜くことができるので、お手軽ですね。
液体や水しぶきの撮影方法のコツ
こちらはいちご牛乳を使用して撮影したものです。
やはり飲むヨーグルトと比べるときれいな形のミルククラウンとは言えませんが、液体がサラっとしている分、迫力のある水しぶき撮影ができますね!
撮影スタジオにて、LED照明とストロボを使用して撮影しました。
今回のようにストロボを使用した撮影をすることができれば、水しぶきなど様々な液体の撮影も同様にすることができます。水が注がれている瞬間や、水にフルーツや野菜が落下する瞬間の撮影などをやってみてもおもしろいとおもいます。
ドリンク類や液体を動画で撮影した例
こちらの動画は、料理動画のスローモーション撮影見本集としてYouTubeにアップしている動画です。ハイフレームレート120Pハイビジョンサイズにて撮影しました。
ミルクを注ぐ瞬間のスロー撮影から、ジュースを注ぐ瞬間、ミルクにいちごを入れる瞬間(ミルククラウンあり!)など、ドリンク類や液体の撮影見本としてご覧くださいませ。料理撮影のプロが撮るとこんな感じになります。
あとがき
きれいな形のミルククラウンを完成させるには、時間と根気も必要です。
撮るのは少々大変かもしませんが、絶妙な瞬間の写真や水しぶきの写真など人間の目では普段見ることのできない瞬間を映しだすことが出来るので、それらを見ながら撮影するのは非常に楽しいとおもいます!
今回のブログが少しでも参考になればうれしいです。ぜひ、皆さまもミルククラウンの撮影にチャレンジしてみてくださいませ。⋆⸜(ू。•ω•。)
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それでは、また次回のフードコーディネート事業部ブログの更新をどうぞお楽しみに♩
最後まで読んでくださってありがとうございます。
フードコーディネーター萩原
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