「シズル感」とは目にした瞬間に食欲や購買意欲をビビッと刺激する感じのこと。「シズル感」は目で見て美味しさやみずみずしさが伝わる感じ、五感を刺激するような感覚のことをいいます。
「シズル感」 の意味、用語の使い方、実例をフードコーディネーターが解説します。私たちが撮影した料理写真と料理動画を掲載し詳しく解説します。
シズル感の意味とは
冒頭でもお話した通り
シズル感とは、目にした瞬間に食欲や購買意欲をビビッと刺激する感じのこと。目で見て美味しさが伝わる感じ、五感を刺激するような感覚のことをシズル感といいます。
美味しそうな料理の写真や動画を見た瞬間「あっ!美味しそう~♡」と思うことがありますよね。その「美味しそうな感じ」がシズル感のパワーです。
被写体となる料理や食品の活きの良さ、瑞々しさ、臨場感を表す言葉です。
※業界によっては、食品以外の被写体(例えば景色や表情など)に対しても「シズル感」を用いる場合もあるようです。
ちなみに、シズル感の語源は英語の「sizzle」です。
そのまんま「シズル」と読みます。お肉がジュージュー焼けて、ジューシーな肉汁でいっぱいの状態を意味する英語ですね。鉄板の上でお肉が焼ける音、お肉からジュワ~と溢れてしたたり落ちる肉汁、もう想像しただけで涎がジュルリです(๑・﹃ ・`๑)
それが由来で、見る人の食欲をそそる表現を指す言葉となりました。
すなわち…
「シズル感」とは、見た瞬間に「美味しそう!」と伝わる撮影表現です。
シズル感が伝わる料理写真例
では続いて、私たちがシズル感たっぷりに撮影した料理写真と料理動画を例に、それぞれのシズル感と撮影のポイントを解説しますね。
みなさんがおうちで料理撮影をする際にぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。撮影のヒントになると思います!
シズル感という言葉ひとつで様々なイメージが挙げられます。
- お肉・・・じゅわ~っと溢れる肉汁、焦げ目、ジュ~ジュ~焼く音、ボリューム感
- 温かいもの・・・ほかほか立ち上る湯気、グツグツ煮える音、カラッと揚げる音
- 冷たいもの・・・ひんやりとした冷気、水滴、心地よい氷の音、涼しげな場面づくり
- フルーツや野菜・・・フレッシュ感、瑞々しさ、表皮や切り口の水滴、切る音
- シロップやタレ・・・お料理の上からとろ~っとかける瞬間、たれる様子
シズル感の例「ジュ~ジュ~お肉」
ジュ~ジュ~と音を立て、ジュワジュワ肉汁が溢れ、モクモク香ばしい煙を立てながら焼けるお肉はまさにシズル感の代名詞ですね!!
撮影のポイントは、鉄板に浮いてパチパチはじける肉汁が映るようにすること。そして、お肉に少し焦げ目が付いていると、煙の香ばしさも連想されてよりグーです(๑´ㅂ`๑)
また、重要なポイントとしてお肉の脂のテカりがジューシーさを伝えるので、ライティング(光の当て方)も気合いを入れて工夫しています。
ちなみに、料理撮影のライティングのコツについては下記記事を参考にどうぞ♩
シズル感の例「みずみずしいトマト」
新鮮な野菜フルーツが被写体になる場合は、あえて水滴などをしたたらせてみずみずしいフレッシュな撮影にします!皮ごとそのままがぶっと食べたくなりますね♩
シズル感の例「アツアツお好み焼き」
アツアツのお好み焼きをハフハフ食べるあの瞬間の美味しさが伝わるように撮影しましょう。
ジュジュ~~~ッと音を立てる香ばしいソースも最高ですね!ソースの泡がぷくっとした瞬間を写します。かつお節が熱でゆらゆらする瞬間も大切です。
美味しそうな瞬間とは、ただ単純に一つのポイントだけでなく、様々な細かい要素が重なって「美味しそう!」になるのです。お料理そのものですね。
シズル感の例「とろ~りチーズが伸びるピザ」
出来立てのアツアツ感やチーズのトロトロ感を見せたいですよね♩
ピザを持ち上げるとチーズがとろ~っと伸びるのもシズル感!!この瞬間、たまらないですよね!見た人に「いまから食べるぞ!」という気持ちが伝わると、よりいっそう食材の魅力が際立ちます。
その食材の魅力を伝えるパワーがシズル感なのです。
また、商品がよく見えるように高さや角度に注意して持ち上げるのも重要なポイント!私たちは現場でよくこの演出を「箸上げ」と呼びます。食べる瞬間の臨場感が出ます。
あわせて、光の当たり方でチーズのつや感が変わるので、モニターを見ながら一番良いライティングの角度を探します。ただし、チーズは冷めると固まってしまうので、スピードが勝負です!!
ちなみに、フードコーディネート事業部には長年ピザの撮影を行っていて、ピザが得意なフードコーディネーターの先輩がいます!(≧ڡ≦*)
某大手テレビショッピングの販売ショーでピザのコーディネートを担当している先輩です。焼きたてのピザを一気にカットする手捌きに憧れます!!こちらのピザの撮影時に実演したのもその先輩なんですよ♩
私も先輩のようなフードコーディネーターを目指して日々精進中です。
シズル感の例「とろ~り玉子の豚角煮丼」
玉子の黄身がとろ~りと流れる瞬間もシズル感たっぷりです。
お箸を入れて、玉子の黄身がぷりっと割れて、とろっとたれる瞬間を撮るのがポイントです。
こんなに美味しそうなツヤツヤでトロトロの玉子を見ただけでお腹が空きますね。今すぐ丼ぶりごと持って食べたくなるこの気持ち!この気持ちが伝わる重要なポイントが、料理写真のシズル感なんですね。
シズル感の例「たらりんおつゆ」
飲み物、おつゆ、シロップ、タレetc…
臨場感たっぷりにたらす瞬間を魅せることが出来ると、そのお料理の魅力がまたグッと引き立ちます。見る方が「自分が食べる時の様子」を連想できるとより食欲がわきますね。それがシズル感です。
インスタグラムで「#たらりんぴっく」というタグを発見して楽しんでいます(*´▽`人)様々なメニューでたら~りと美味しそうな写真が盛りだくさん!!
もちろん私たちのインスタグラムも毎日シズル感満載で更新中!スタッフ一同で更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください♩
https://www.instagram.com/af.foodcoordinate
シズル感の例「グツグツ鶏鍋」
お鍋料理の撮影で重要なのはグツグツ音を立てて沸騰しているシズル感。私たちは撮影現場で「鍋ぐつ」と呼んでいます。
温かい料理はその熱が伝わるように撮る。食卓の温度が伝わるように撮る。「料理の温度」が料理撮影の重要なポイントです。
シズル感の例「ひんやりトマトゼリー」
デザート類はひんやりとしたシズル感が命!
明るく光を入れてツヤツヤに撮影しました。テーブルコーディネートも涼しげな色合いでまとめると、より爽やかな印象になりますね。ガラスの食器がキンキンに冷えている感じに映すのもポイントです。
シズル感の例「フレッシュなジュース」
ジュースをそそいでいる瞬間のフレッシュな躍動感を伝えたい写真です。コップの表面とそそぐジュースがゆらゆら波打っている点がポイント!
今にもコップにジュースをそそぐ音が聴こえてきそうな感じがしませんか。
このシズル感を出すために、注ぐスピードと量を調整しながらカメラの前でテストを行います。ジュースのつややかさを出すライティングも重要ですね。何度も何度も繰り返して、やっとの思いでこの写真のように仕上がります。
シズル感の例「つるつるそうめん」
つるつるっとしたなめらかな白さがポイントです。
みずみずしいそうめんの美味しさを撮るために、美しくきれいに盛りつけるのはもちろん、撮影直前に仕上げに水を筆で塗って、光でツヤッとそうめんが輝くように仕上げます。
シズル感が伝わる料理動画例
シズル感の動画例「鍋ぐつ・箸上げ・鶏鍋」
グツグツ沸騰するスープにつられて、お肉やしらたきもグツグツしてるのがグッときますね♡
「箸上げ」の演出もよりシズル感を引き立てるポイントです。ひとつの被写体も、料理写真と料理動画でそれぞれの特長を活かしたコーディネートと撮影を実演します!
シズル感の動画短編集「ハンバーグ、フレンチトースト、ピザ、揚げ物」
ハンバーグ、フレンチトースト、ピザ、揚げ物、定番の人気料理でそれぞれシズル感を重視して短い動画を撮影しました。ここまで説明したシズル感のポイントがギュっと凝縮されていますよ。
最近、レシピ動画がすごく流行っていますね!(ありがたいことに撮影のお問合せもたくさんいただいております!!感謝です!!)
レシピ動画はもちろん、このように約10秒ほどの尺でシズル感たっぷりに仕上げる料理動画の撮影も承っております。気軽に視聴できる尺の動画はSNSでの拡散に向いていますね。ご興味のある方はどうぞお気軽にお問合せくださいませ♩
シズル感の動画短編集「ベリータルト、ビール、じゃがバター、炊きたてご飯、ステーキ丼、お味噌汁」
シズル感の動画短編集「スローモーション撮影6種類」
シズル感をじっくりご覧いただくためにスローモーション撮影を用いる場合もあります。
こちらの料理動画はミルク、オレンシジュース、いちご、トマトジュース、サラダ、スムージーの計6種類をスローモーションで撮影してみました。
ハイフレームレート120Pで撮影(ハイビジョンサイズ)を行いました。
このような撮影にも対応できる機材を取り揃えております!!
フード専門のカメラマンが食品撮影に最適な機材を揃えています。
スタジオ見学も可能です。ご希望の方はどうぞお気軽にお問合せくださいませ。「撮影依頼の前にまずは一度スタジオを見てみたい!」というお客様も多数いらっしゃいますよ♩
撮影現場の会話で「シズル感」の使い方
シズル感を追及する仕事である、私たちフードコーディネーターやカメラマンが実際に料理撮影を行う現場でどんな会話がされているか、気になりますよね。
一例をご紹介いたしましょう。
「この写真のシズル感いいね!美味しそう!」
「この食材はこうすればシズル感が出るかな。やってみよう!」
「仕上げに水を塗って、つや感を出そう。もっとシズル感を出したいね!」
などなど、料理撮影の現場ではこのような会話が繰り広げられています。「シズル感」は絶対に覚えておきたい(撮影現場にいると自然に身につく)言葉です。
シズル感を伝えるキャッチコピーの使い方
シズル感は料理写真や料理動画はもちろん、そこに添えられるタイトルやキャッチコピーにも表れます。
こちらの肉じゃがの写真を例にして、この肉じゃがの美味しさをお客様に伝えたいメーカーさんの気持ちになってシズル感が伝わるキャッチコピーを考えてみます!
…(≡ω≡)))
「家族で食べると笑顔があふれる、ホクホクじゃがいもの肉じゃが」
「心も体も温まる、お母さんが作ったアツアツの肉じゃが」
田舎に住むお母さんの顔が頭に浮かんできました。元気にしてると嬉しいなぁ~。
な~んて、1枚の写真から色んな思いが広がっていくととてもうれしいですね♩
あとがき
目にした瞬間に思わず「美味しそうっ!食べたいっ!買わなきゃっ!」と、その料理の魅力をお客様のハートにぐぐっと伝えるのがシズル感。
つまり、シズル感とは簡単に言うと「食欲をそそる感じ」ですね。
私もシズル感たっぷりのジュ~ジュ~音が聴こえるようなお肉の写真を見ると食欲をそそられます…。食べたいです…。シズル感ですね!笑。
牛タン焼き、とくにネギタンが好きです♡
私たちフードコーディネート事業部は料理撮影専門のチームです。
シズル感が出たその一瞬!お料理が最高に美味しそうな瞬間!を狙って、工夫しながら撮影を行っています。もっともっと技術を磨いて、よりいっそうシズル感が溢れる料理撮影のために、日々、頑張っていきます!
ではでは…
フードコーディネート事業部のブログ記事を読んでくださってありがとうございます!
これからも季節の料理に関する記事、料理撮影に関する記事、私たちならではの内容で情報満載でブログを更新しますね。どうぞお楽しみに。
フードコーディネーター重戸
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